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オランダのバケット流通における水量規定について

㈱フラワーオークションジャパン 営業本部 白川 裕
(前・(財)日本花普及センター オランダ事務所 情報・調査部門統括

オランダでは、花きの市場出荷に関してはVBN(オランダ市場協会)が定める全国統一の出荷規定が基本となっていますが、さらに各市場が流通の実情に即した追加規定を付加して運用をしています。出荷容器に関してもVBNの規定に記載されており、さらに各市場で追加規定を付加して生産者に指導をおこなっています。

 

1.VBNの出荷規定
 VBNではオランダ語で記された出荷規定の本文中にバケット出荷に関して以下のような規定が記載されています。

 

・ 切花は、切花用バケットか段ボール箱を用いて出荷すること。
・ VBNが承認した容器で切花を出荷することを義務とする。
・ バケット出荷の切花には、新鮮な水(規定されている前処理剤を添加する)を投入すること。
・ 水の量は、花が流通のプロセス中に乾燥してしまわない量を投入すること。
・ 品質検査の段階において、バケットの中の水位が最大5センチであること。水の高さの測定は花がバケットに入っていない時の状態で行なう。

 

2.アールスメア市場における規定
アールスメア市場の規則部では、これに加えて労働基準の関係から、追加規定で1バケットあたりの重量を14キログラムと定めています。VBNの出荷規定に記載されている、流通プロセスの過程で乾燥してしまわない水量の基準を満たし、かつ労働基準に定められた重量制限を越えない水量の目安として、セリ日の朝5時から開始される品質検査時に、花を抜いた状態で5cmの水位であることが基準となっています。
なお、Code577のバケットでは、底から5cmの高さに目盛りが刻印されており、小型のバケットでは1リットルの水を投入すると底から5cmの水位になるそうです。
アールスメア市場の輸入部では、段ボール出荷された海外産切花のリパックを行っています。輸入部への現地調査の際、code577のバケットを使用し、刻印された5cmの目盛りまで機械で自動投入していました。
なお、アールスメア市場ではこの重量範囲内であれば、5cm以上入っていてもかまわないそうです。

 

資料.アールスメア市場の重量に関する規定(アールスメア市場規則部提供)

Weights and measures  
As far as permitted weights and measures are concerned, the VBA is bound by labour conditions legislation, the building's technical limitations and those of the stacking carts, and process-related restrictions. The following standards apply: Maximum load per tablet (layer): 150 kg Maximum load per stacking cart: 600 kg Maximum weight of container unit (or unit transported separately): 14 kg Maximum height of cart plus flower products: 2.40 m (= 20 cm above the bar) Maximum height of cart plus plant products: 3.00 m (= 80 cm above the bar) Products may not protrude from the stacking cart at the front, rear or side.
 
3.フローラホランドにおける規定
フローラホランドでも同様に水の使用量についての追加規定があります。テストセンターの主任検査官であるHenk氏によると、バケットの水位は品質検査の段階で5cm(花がバケットに入っていない状態で)と規定されており、それよりも明らかに少ない場合(おおよそ4cm以下)は、警告を行い、改善されない場合には罰金を課すことになっているそうです。なお、アールスメア市場と同様に、重量制限の範囲内であればそれ以上の水量でもかまわないとのことでした。

 

4.まとめ
以上から、オランダのバケット流通では、各市場ともにセリ日の朝5時から開始される品質検査の段階で、花を除いて5cmの水位となるように考慮した出荷を義務化しているという点共通しています。品目によって吸水量に大きな差異があるため、出荷時の水位を規定するよりも、セリ直前に残存する水位を5cmと規定しているという点が、品質維持の観点から非常に重要なポイントであるといえます。
市場での品質検査制度がない日本では、セリ直前の水位についての指標を提示することは困難です。オランダでの運用事例と、日本での輸送および市場での保管中に起こる植物の吸水を総合的に考慮すると、新花き流通システム研究会で議論されている出荷時に5cmという水位は、むしろ必要最低限な水準であり、決して必要十分な水位ではないと思われます。

 

 

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