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JELFA 10周年記念フォーラム

「2022年の花き業界を語る!」~生産から小売販売の10年後の動向について~

2012年8月22日、東京駅近くの八重洲富士屋ホテルにてJELFA10周年記念フォーラムを開催致しました。 岐阜大学 園芸学研究室の 福井 博一 教授、株式会社パーク・コーポレーション代表取締役の井上 英明 氏をお招きし、10年後の花き業界をテーマに、「生産から市場の動向」と、「小売販売の動向」についての展望と予測を語っていただきました。 

 

● プログラム

 

13:00 開会  
  開会挨拶  JELFA会長 谷口 勇
  来賓挨拶 

農林水産省花き産業   施設園芸振興室
室長 綿谷 弘勝 氏

13:30~

講演

岐阜大学 福井 博一 教授
 
14:30~ 休憩(10分)
 
14:40~

講演

株式会社パーク・コーポレーション 井上 英明 氏
15:40 質疑応答
16:40

事務局から報告

16:50 閉会あいさつ JELFA副会長 柏村 哲徳

                     

● 講師紹介

 

福井 博一 教授
顔写真
 

岐阜大学  応用生物科学部 園芸学研究室

福井 博一 教授

1977年

岐阜大学教育学部生物学科卒業

1984年 北海道大学大学院農学研究科農学専攻博士課程修了(農学博士)
1996年

岐阜大学 教授 農学部

2008年

岐阜大学  応用生物科学部副学部長

2010年

日本ばら切り花協会外部特別顧問

2012年

園芸学会評議員

 

井上 英明  氏
顔写真
 

株式会社パーク・コーポレーション 

代表取締役 井上 英明 氏

 

87年早稲田大学政治経済学部卒業後に渡米。ニューヨークにて大手会計事務所に入所。 帰国後、’88年株式会社パーク・コーポレーション設立。

93年南青山に 『Aoyama Flower Market』、03年にフラワースクール 『hana-kichi』、

07年にはオフィス・商業施設等のグリーンのコーディネート・メンテナンスなどを

手がける 『Jungle COLLECTION』、 11年9月にフレッシュハーブティーと花や緑に

囲まれたカフェ 『TEA HOUSE』をオープン。

2012年5月末現在で全国に86店舗を展開し、「Living With Flowers Everyday」を  コンセプトに、花や緑に囲まれた心豊かな生活を提案している。

 

 〜講演からのピックアップ〜

 

◎講師:岐阜大学 応用生物科学部 園芸学研究室 福井 博一 教授

     「2022年の花き業界を語る(10年後の動向について)」

 

10年後の花業界の消費動向を予測するにあたり、まず現在の消費を動かしているものの裏には何があるのかを見ていきたいと思います。

 

説明スライド

 

花業界全体の売上高は1998年をピークに下がっているが、その後も順調に売れているのが「野菜苗」。

 

説明スライド

 

現在の50~60歳代が子供だった頃、その両親の2人に1人は農家という時代。子供の頃に両親を手伝ったという幼児体験が、現在の家庭菜園・市民菜園のブームになっているのではないだろうか。 また、団塊の世代の女性が40歳代だった頃も、同じく農作業を手伝った幼児体験からか、寄せ植えをするブームがあった。

 

説明スライド
 

転じて現代の40歳代が子供の頃は、インテリアグリーンや観葉植物がブームとなった時代。

 

説明スライド
 

予測では「インテリアとしての植物」の消費拡大が考えられる。 実際、現在の40歳代をターゲットにしたIKEA、ニトリはネット販売も含め着実に売上を伸ばしている。 子供の頃の「記憶」がゆとりの生活習慣を決定する。 

 

説明スライド
 

しかし、それには積極的な提案が必要。 20~30年前に流行した花や品種も、40歳代にとっては新しい!ということもある。

 

説明スライド

 

説明スライド

 

説明スライド

 

説明スライド

 

 

ここでGDPデフレーター(国内の企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す指数)と各業界での販売額の関係を見てみると、日用品であればあるほど倹約、たまの贅沢にはお金を惜しみなく使う、という結果が表れている。 つまり、「人は心の豊かさを求めている」ということになる。

 

説明スライド

 

感動・心の満足を得られるかどうかということがカギとなる。 花は日用品ではなく、特別な存在になるべきか?

 

説明スライド

 

説明スライド

 

転じて、花き市場ではせり販売は30%を切り、在宅せりシステムを取り入れ始めている。
すでにこのシステムが進んだアメリカ・ヨーロッパでは、生産者・バイヤー・育種家間での情報交換の場が失われ、商品情報の交流が困難になっている。 周年出荷の合理化が進む一方で、欲しい花が手に入らす、季節を感じる文化がなくなってきつつある。 

 

説明スライド

 

説明スライド

 

同じことにならないよう、日本では専門店が心の豊かさを伝える努力をしてもらいたい。

 

説明スライド

 

説明スライド

 

節約してでも買いたいものはある。 明確に消費者の需要と重なるかどうかが求められる。

 

説明スライド

 

説明スライド

 

生産者も、市場も、販売も、業界全体が目指す方向を「心の豊かさを満たす」こととし、一体となることが大切。

 

 

◎講師:株式会社パーク・コーポレーション

    代表取締役 井上 英明 氏

 

(井上氏はデータ資料なしでの講演をされました)

 

井上氏写真 会場の様子
 

小売業として10年後に向けて、大切と考えることは・・・


〈常に「心」、「想い」を意識し、お客様の心に届いているかを考える。〉
●花屋は「花」という形のあるものを販売しているが、花のある「時間」や「空間」 も売っているのではないでしょうか。小売だが「サービス業」なのでは。お客様が考える空間をコーディネートするということもサービスの一つと考えます。
●もらった人が「心に刺さる」ような花を提案したい。常に心を意識。
●現代社会は線・丸に囲まれた世界。しかし自然の世界には直線やまん丸はない。そういったものだらけの空間に、花と緑のある生活を提案してきたい。「物」として置くのではなく、置き方を工夫するなど、心の揺らぎを感じられるような提案(サービス)が必要なのでは。

 

〈その想いを共有できるパートナーの存在。 〉
●青山フラワーマーケットでは人材育成の一環として3ヶ月研修、6ヶ月研修をするなど、同期意識で横のつながりを持つような体制を作っている。他店舗の人との交流で、それぞれに磨きをかけて成長してもらいたい。
●常に学んでいるか、磨けているか、成長できているか、は大切。また自分たちのノウハウを囲い込まずに共有していく。
●産地との交流により、よりお客様にサービスができるようにしている。
●店舗についてはマネージャー、クリエイターとしてお店をマネージメントする者、花をクリエイトする者とを分け、人により得意とする分野を伸ばしてもらう方法を約3年前から採用。利益率が3%程上がりました。

 

〈新しい事をする勇気を持つ〉
●デザインなど、売れ筋のやり方を小細工するのではなく、全く新しいものを作ってお客様の心を響かせる努力。 
●店舗は月1回レベルチェックをし、品揃え、お店の雰囲気、お花の見せ方の工夫はあるか・・・など細かくチェックを加え、何かしら10%は新しいものを取り入れて行く方法をとっている。
●予算などについては、お店のことはスタッフに任せ責任は経営者が取る、というような経営者としても腹のくくり方は大事!勝負する気持ち、ワクワクする気持ちを持ち、思い切って何かにトライすることは大事。 
●「海外」、「日本」という垣根がなくなってきているこの頃。地球人という意識で、今後海外進出も考えていく。人材が揃ったらパリやNYにもお店を出していきたい。ビジネスとしてだけではなく人材育成にも利用したい。海外にスタッフを研修に行かせると確実に感性が磨かれて帰ってくる。そのような教育もしていきたい。

 

〈10年後に向けて 〉
常にチャレンジをしながら、お客様の心豊かな時間・空間を作っていくことを念頭に、失敗を恐れず進んでいきたい。お客様にとって良いことは何でもやっていきます。

 

 

 〜質疑応答からのピックアップ〜

 

井上氏写真 会場の様子

 

Q: JELFA10周年にあたり、ELFシステムの今後10年はどうなっていくのか、この10年を振り返りつつお答えいただけますか?


A(福井講師):バラの研究者の視点から思うに、バラがここまでいろんな品種、香りのあるバラ、柔らかいバラが国内でここまで広まった立役者は間違いなくELFシステムのお陰です。横箱で出荷を続ける限り、傷が付き、いったん水を切らすと香りは出ません。香りがあることや季節感があることを味わえることは豊かなこと。これからもこのシステムは止めるわけにはいかないのではないのでは?と思います。


A(井上講師):福井先生のお話しに同感します。 
当社のやり方として、同じ条件であれば昔からの取引先を優先して仕入れをします。でもお客様が満足しないのであれば変わっていきます。 結果として、現在ELFを使った花の仕入れが増えていますので、必然的にELFの果たしている役割の重要性が分かるのではと思います。

 

質疑応答の詳しい内容は当協会会報誌 The JELFA Vol. 36 に載せております。ホームページ内でご覧いただけます。 The JELFA Vol. 36のPDFはこちら>>

 

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