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JELFA セミナー2013

勝ち組「育種・種苗会社」の世界戦略

オランダのアンスリウム・胡蝶蘭の主力育種・種苗会社であるアンスラ社と、アルストロメリア・ブバルディアの育種・種苗会社であるロイヤル・ファンザンテン社より、それぞれ1名の講師をお招きし、現在までの成功戦略と今後への新たな策略について、お話し頂きました。

 

● プログラム

13:00~ 開会挨拶  JELFA会長 谷口 勇
  来賓挨拶  農林水産省 生産局 農産部 園芸作物課
花き産業・施設園芸振興室 室長 綿谷 弘勝 氏

13:20~

講演

アンスラ社 カスパー・リートヴェルト氏
14:50~ 休憩
15:00~

講演

ロイヤル・ファンザンテン社
アンドレ・ブリューデンヒル氏
16:30 質疑応答
17:30

カナダ流通調査報告 JELFA常務理事 佐無田 仁

17:55 閉会挨拶  JELFA副会長 柏村 哲徳

     

● 講師紹介

 

カスパー・リートヴェルト氏顔写真
 

アンスラ社

カスパー・リードヴェルト氏

アンスラ社は1974年に設立されたアンスリウムの育種・種苗会社で、その品種は世界に流通する8割のシェアを占める。1998年にはその育種システムが認められ、オランダ経財省の専門機関であるNaktuinbouwに、アンスリウムでは初の「エリート」認定を受けている。アンスリウムでの認定は、現在でもアンスラ社のみである。
胡蝶蘭の育種にも取り組んでおり、販売品種は500種にも及ぶ。
リートヴェルト氏はアジアエリアマネージャーとして、活躍されています。

アンドレ・ブリューデンヒル氏顔写真
 

ロイヤル・ファンザンテン社 

アンドレ・ブリューデンヒル氏

 

ロイヤル・ファンザンテン社はプロの生産者をターゲットに、アルストロメリア、リモニウム、スターチス、ブバルディア、プリンセスリリーの育種・育苗会社であり、世界でも5番目の大手である。アルストロメリアの世界シェアは7割に及ぶ。アンドレ氏は家業であるユリの生産会社で1991年まで働いた後、1992年よりロイヤル・ファンザンテン社で商業マネージャーとして勤務、世界への販売とマーケティングを行なっている。日本との取引は12年以上にも及ぶ。

 

講演からのピックアップ

◎講師:アンスラ社 カスパー・リートヴェルト氏

アンスラ社についての紹介

 

説明スライド

 

約30年にわたり、アンスリウムと胡蝶蘭の育種と増殖をしている。世界の70カ国に販売。オランダ、ドイツで販売をしたものは世界に、中国で生産したものは中国国内への販売を行なっている。

 

説明スライド

 

育種、増殖、苗の生産、生産者への販売、その後栽培方法のコンサルタント業務も行っている。

 

説明スライド
 

毎年200万鉢の新品種をテスト栽培し、それらは8~10年をかけて育てられる。最終的に選択されるのは、年間15~20品種のみ。それらが本格生産される。

 

説明スライド
 

生産者への苗の販売後、生産における技術サポートも行なっている。IMACはアンスラ社の子会社であり、この技術サポートを一手に請け負っている。

 

説明スライド
 

鉢のサイズ別に見た生産の履歴。2010年が全体的には生産のピークとなった。しかしながら供給量が増えたため価格が下落してしまった。これ以降、生産者と生産を調整し、供給過多にならないように進めるようになった。

 

説明スライド

 

ヨーロッパでのアンスリウムの生産は、オランダが92.3%を占める。その他、イタリア、デンマーク、スペインなどもわずかではあるが生産をしている。

 

説明スライド

 

世界でのアンスリウム生産量と右の%はアンスラ社が持っている品種のマーケットシェア。
生産については、ヨーロッパ、中国での生産量が突出している。
2006年頃より、特にプロモーションをしなくても中国でアンスリウムが爆発的に売れ始めた(赤色のみ)。現在では違法な増殖をなくすよう管理をし、正規品が市場に出回り、引いてはお客様に満足していただけるように体制を整えていっている。
日本以外の国ではアンスリウムは年中出回っているが、日本では季節商品とする位置づけもあり、生産量は特別多くはない。

 

説明スライド

 

 

過去には生産量を伸ばし、販売することに注力されていた。現在では生産者と一緒に需要を作り出す方法に変わっている。

 

説明スライド

 

 

色や形を紹介するというより、「品種」としての特性をセールスポイントとして明確に打ち出していっている。

 

アンスラ社のプロモーションとして、冊子やパンフレットを作り展示会に出展する他、「トレードウィーク」を設け、卸売業者や輸出業者に商品を「実際に」見ていただき、その特性を一つ一つ理解していただく機会を作っている。生産者情報や携帯番号までもが分かるようにし、実際に販売まで展開していけるよう、強力にサポートしている。
カスパー氏曰く、アンスラ社は「生産者があってこそ存続できる会社」。生産者が販売を広げるために協力を必要とするならば、これからも可能な限り協力をしていくとのことでした。このような業種間の連携体制はオランダの花き業界では珍しくなく、日本でも見習いたい体制の一つではないでしょうか。

 

カスパー氏写真 講演の様子

 

 

◎講師:ロイヤル・ファンザンテン社  アンドレ・ブリューデンヒル氏

 

 

説明スライド

 

ロイヤル・ファンザンテン社は設立150年の会社である。
高品質な花を作る生産者を対象に、苗を提供している。

 

説明スライド

 

2012年までの組織図。
ホールディングの下に4社の子会社があり、苗を専門とする子会社(Cutting)、ユリやチューリップなどの球根の取扱いを主とする子会社(Flowerbulbs)、リモニウムやブバルディアの苗や切花を担当する子会社(Plants)、そして栽培についての調査、研究、指導などを行う (Reserch)があった。

 

説明スライド
 

2013年より組織がよりシンプルに変わり、調査・研究部門(Reserch)、苗(Cutting)、切り花(Plants)の3社が統合され、グループとしては3社の体制になった。

 

説明スライド
 

子会社 Van Zanten Flowerbulbs b.v.(球根)について
球根の生産についてはオランダ以外にニュージーランドの南島(クライストチャーチ近郊)でも生産している。ニュージーランドで生産されたものは、日本を中心とした近隣諸国に輸出されている。オランダ産のものはヨーロッパを中心とした国々に販売されている。

 

説明スライド
 

子会社 Van Zanten Breeding b.v. (統合組織)について
カット苗の生産については、生産はアフリカのウガンダで行なっている。以前は南アフリカでもカット苗を生産していたが、賃金上昇などによる経済的問題で現在は撤退、南アフリカではティシューカルチャーの工程のみを行っている。
日本での切り花の生産については、品目ごとに日本の各社と連携を取りながら、販売店の間で競争させるのではなく、商品を協力しながら作り上げていく体制を取っている。今後ブバルディアの販売を広げたいと考えている。

 

 

~オランダでのマーケティングキャンペーン例(ブバルディア)の紹介~

 

説明スライド

 

商品を販売する際、品目としての統一性を持たせるためスリーブを統一した。ただし、生産者ごとに分かるようにスリーブの色を変え、QRコードを付けることで生産者情報が分かるようにした。

 

説明スライド

 

市場や展示会で、生産者自身がキャンペーンを行っている。ロイヤル・ファンザンテン社としては、資材の提供や運営についてのバックアップをしている。

 

説明スライド

 

フランスにて、展示会でフローリストによるデモンストレーションを行い、使い方を披露し、商品の宣伝をした。

 

説明スライド

 

2011年のホルティーフェアにて、品目によるブーケのコンペがあり、ブバルディアが1位を獲得した。
テレビを含めメディアの注目度も高く、効果的な宣伝方法である。

 

 
 

その他、栽培方法や施設の説明がありました。

 

 
 
   

~ まとめ ~

両社とも経営基盤(特にファイナンス)がしっかりした園芸業界屈指の育種・種苗会社である。

生産農家から出発し、将来的に有望な品目を絞込み、品種交配や開発・企画はオランダで、育種は人件費の安価な新興国で、製品販売及び指導は再度オランダで、という分業制を早くから確立し、成功している。

両社とも自家農園で生産から販売まで一貫して行い、将来的な企画、マーケティングなどのリサーチを兼ねた経営を行なっている。

扱い品目は独占的で、常にグローバルな立場でマーケティングを行い、世界的な園芸会社の地位を保っている。

今後の開拓市場は両社とも東南アジアをターゲットにしている。

 

 

~その他、セミナーの様子~

 

JELFA会長 谷口 勇

 
来賓 農林水産省 生産局 農産部 園芸作物課
花き産業・施設園芸振興室長 綿谷 弘勝氏

 
 

講演の様子

 
 

質疑応答の様子

 

カナダ花き流通調査発表
JELFA常務理事 佐無田 仁

 

JELFA副会長 柏村 哲徳

 
 
 
 
 

セミナーに先立ち、大田市場花き棟中央通路にて、
アンスラ社とロイヤルファンザンテン社の鉢・切り花の展示を行いました。
(2013年3月22日~29日)

 
 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

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