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JELFAフォーラム2013
トークセッション

今回のJELFAフォーラムは、切り花生産者の吉村圭氏(ワイルドプランツ吉村)と鉢物生産者の金澤大樹氏(矢祭園芸)のお二人によるトークセッションです。参加される皆様からもテーマを募集し、花き業界の今後について熱く語って頂きました。

会場風景

 

● プログラム

Opening

13:00 開会

 

 

開会挨拶 JELFA会長  谷口 勇

 

来賓挨拶

農林水産省花き産業 生産局 園芸作物課 課長補佐 佐藤 信氏
 

Talk Session

13:15 第1部

ー吉村×金澤ー 自己紹介

13:45 第2部

ー花き業界の今後ー フリートーク

15:00 休憩


 

15:15 第2部

フリートーク再開

16:20 JELFA事務局からの報告

①定期研修ツアー ②ELFバケット店舗利用特約制度
③国産花き日持ち保証販売実証事業

16:40 閉会挨拶

JELFA副会長  柏村 哲徳

Party

17:00 第3部

交流会 全員参加の交流会

19:30 第4部

交流会 自称若手の2次会

● スピーカー紹介

 

ワイルドプランツ吉村 吉村圭氏写真

有限会社ワイルドプランツ吉村 
プロデュースマネージャー  吉村 圭 氏

長崎県佐世保市で草花等の切花を生産、育種・開発も行っている。業界で生き残って行くには値付けが大切と考えており、ご自身では販売の方により力を入れ、販売6割、生産4割といった割合で日々仕事をしている。

矢祭園芸金澤氏写真

有限会社矢祭園芸
金澤 大樹氏

 

福島県矢祭町で父親の代からカーネーション、シクラメンを中心に鉢花の生産をしている。早くから育種開発も行っており、ベゴニア他、品目・品種ともに増えてきている。2代目の金澤さんは、海外研修をした経験とそのルートから、海外にも販売を広げようと日々奔走されている。

 

トークセッションからのピックアップ

トークセッションに参加して頂いた皆様のアンケートの中で、反響の多かったテーマを抜粋し、報告致します。

○二代目ならではの悩みは?

吉村>
私は東京農業大学を卒業し家業を継いだのですが、継いで5年~10年の頃は周りから「お父さんを超えろ」などといろいろなプレッシャーも掛けられましたが・・・「超える」ということがそもそもよく分からなかったですし、悩みではなかったですね。
父はどんどん進んで行くタイプで、ある程度有名だったのですが、継いでから父は花屋の方を手伝うようになりましたし、農場にはいないので、1日のうちで顔を会わせないことも多いですね。年に2回ぐらいは大喧嘩しますけど(笑)。

金澤>
私は小さい頃から「農業を継ぐと大変だね」なんて言われて育ってきましたが、ある人に「これから農業をする人には農業大学を勧めない」と言われまして、それがきっかけで商学部に進んで、経営とマーケティングを勉強しました。あと、うちの会社はその頃から海外に対する交渉力が不足していたので、ニュージーランドとオランダに出て、計5-6年勉強しました。その時点で、父とは学んできたベースが違ってきていることもあって、比べるとかもなかったです。両親の場合は、父が花作り、母が経理財務と分かれていたのが、私の代になって財務を見ながら生産、作付け、種苗販売、経営という形になってきているので、悩みといえば、新しい取り組みを始めるときに、「どうやって時間を工面するか」 ということですね。「作って売るだけ」という親と同じ踏襲はしたくないと思っています。

吉村>
今自分が社長になって、自分と同じ考え方の人は会社には他に必要ないですからね。

金澤>
会社を大きくするという方向は同じでも、親とは違うベクトルを持って進むだけなので、悩みではないですね。価格の下落によって売上高が減れば、それをどうやって他の方法で補填するかを知恵を絞って考えるのは、うちはまだ父が現役なので、二代目の強みという感じですかね。ということで、悩みはないです(笑)。

 

○市場不要論について?

吉村>
私は切花の生産者で、切花はそれだけでは商品にならなくていろいろな種類が合わさって初めて商品になるので、個人でそれ単体を売っても誰も買ってくれないので、市場は必要です。必要なんですが、昔のように市場に対して「高く買って下さい」といった押し付けのようなことはしません。自分の花を知ってもらうために、知り合いの花屋さんに配って使っていただいたり、不定期販売をして知っていただくようなこともしています。
私は市場はどちらかというと物流拠点というような考え方をしています。自分で花を売るから市場は要らない、という方もたくさんいらっしゃいますが、私は約8~10%の手数料で代金回収までしてくれるのはすごくありがたいことだと思います。市場は、本当は15-20%ぐらい手数料が欲しいのではないかと思います。そう思えば、手数料は決して高くないですし、私は市場を不要とは思っていません。
ただ、今の現状から言うと、「市場は要らない」という生産者が増えていくのは確かだと思います。

金澤>
鉢はそれ自体が商品になりますので、鉢・苗の生産者は市場を通さずに自分で営業をかけて販売していっている方はたくさんいます。ただ私は、市場はあった方が良いと思っています。例えば、自分と同じものを他の生産者が出荷したとき、物の良し悪しを比べられるのは良い機会だと考えています。自分の花が良くても悪くても、自分の立ち位置を確認できるのはいいことだと思います。また、先程もあった代金回収の面でも、メリットはあるんじゃないでしょうか。

吉村>
逆に市場の方にお聞きしたいのは、市場は「どこまで生産者(人)を花屋さんに紹介してくれるのか」ということです。よく不要論の中に出てくるのですが、市場は花を紹介してくれても、人をあまり紹介しないですよね。花は結局「物」で通過点でしかないので、もっと人を紹介して欲しい。私は若手の会でもよく言うのですが、「花を売るな、人を売れ」ということです。人の信頼関係ができれば花は後からついてくると思います。当然信頼されれば生産者も悪い花は出せないですし頑張るので、品質はどんどん上がりますよ。それが本当の商売じゃないかと思います。手ぜりから時計ぜりになって人間関係が希薄になったのだから、そこはお互いにもっと人を売る努力をしなくてはならないと花は売れないんじゃないかと思います。

市場に出荷していて一番思うことは、「花の値段は誰が決めるの?」というとことです。
消費者?花屋さん?仲卸?市場?生産者?
その価値、価格は?
価格を下げることで買ってくれる人は増えるかもしれない。でもその利益配分は?
値段を下げ始めるとどんどん下がって適正価格というのがなくなると思うのですが、それを食い止めるのは、市場だと私は思っているのです・・・難しい話しなんですが。私がいつも市場に言うのは、「生産者にできるだけ最低価格を決めさせて欲しい」ということなんです。最低価格で売り切って欲しいと言っています。価格が最低を切ったら捨ててくれ、と言っています。

金澤>
例えば、需要期が過ぎると値段が下がる世界ですし、需要期に合わせられなかった花も取っていただいたりするので、そういう場合は値段が下がるのは致し方ない部分も多々ありますが。父の世代の時の話を聞くと「昔の市場は楽しかった」と言います。昔は、個々の生産者が市場に花を持って行って、買参人とも情報交流の場になっていたと聞きます。生産者にとっては新しい商品を売り込む機会が毎日だった時代で、また珍しい花があれば苗を引いて増殖するような感じで。値段に関してもその生産者、市場、買参人があれこれ話し合って、妥当な金額を決めていた時代だったと思います。今は、利便性を追求した販売方法なので、どこかで新たな人間関係を構築しないことには、値段が下がって大変なことになるかもしれません。

吉村>
値段に関しては、今が多分限界じゃないかと思います。平均年齢は70歳という産地もありますよね。この方達自身が、生活するのに必死だから、息子に継がせる余裕がなかったり、継がせない、というのが今の農業界の現状ですよね。これを打破する要は、「価格」です。いかに自分たちが作ったものを適正価格で売るか、ということが大事になってきますね。

 

○5年後、10年後の花き業界

吉村>
面白いテーマですね。私は実は5年後、10年後の花き業界は大きくは変わっていないと思います。
ただ5年後、10年後にこう変わって欲しい、変わりたいと考えていることがありまして、それは物流です。現在、個々で市場に配送をしている方も多いと思いますが、運賃が関東でしたら1箱=1,500円かかることもあります。こういう状況を、5年後10年後には半額ぐらいにできるように、物流コストを下げるということをしっかりやっていきたいと思っています。

金澤>
矢祭では親の世代に、「鉢物研究会」を作って活動をしていたのですが、後継者問題というのがあり、子供の世代で継ぐことになっているのは私だけなんです。私はまた新しい世代として、こうして生産者が縮小していく中で、これからは産地としてではなく、より広域で連携をして販売をしていけるような、そのネットワーク作りをしたいと思っています。

吉村>
今、生産者に足りないものは、花屋さんとの付き合い方もそうですが、プレゼン力が足りないと思います。「これだけ咲いて、この時期にこれだけ出せるので使いませんか」というような説明ができないとダメなわけで、出たとこ勝負なところが多いと思います。
極端な言い方をすると、これは少し言葉が悪いですが、市場や花屋さんに言いたいのは、しっかりしたビジョンを持って、しっかりといい花を作ろうとする、作っている産地の値段はしっかりと守って販売していってもらいたいということです。今後そうやって伸びていく産地はいいのですが、そうでない産地、例えば、片手間で花を作るとか、農薬の基準を守らないとか、しっかりと生産をしない産地はいったん見捨てる必要があると思います。そうでなければ、同じように値段が下がってしまって、「頑張っている人・できる人」がくすぶる、といった状況になっていると思います。業界は人を育てなくてはならないですから、自分達の世代で頑張っている人が、他の業界に行ってしまわないように、ある程度手立ては必要だと思います。私の父はよく、「自分は市場と花屋に育ててもらった」と言っていますが、自分は?と考えたとき、誰にも育てられてないような気がします。昔は、花屋さんに「これ作れ、あれ作れ」と言われたり、周りにいろいろ教えてもらいながら進んでいたと思います。今はそれがないですからね。
とりあえず、何か手立てを考えながら5年後、10年後を見据えて行かないと、このままでは業界がダメになってしまいますよ、きっと。みんなほんとに必死ですよ。例えば、今、消費者を20%増やそうと花屋さんも頑張っていますが、増えるでしょうか?増えたとしても、価格を20%増やしただけでは需要が増えているわけではないですしね。店舗だけが考えるのでなく、業界全体で20%を増やす努力をしないといけないですよね。もっと花を見せて露出を増やして、消費拡大する必要がありますよね。

 

○日持ち保証販売について

参加者A>
私は自分の店舗で日持ち保障販売を始めて今年で3年目になります。販売している全商品を5日保証しています。このお題については「必要かどうか、できるのかどうか」とか、難しい面を聞きたいと思うのですが、「できるかどうか」で言えばできます。ただできない品目もあります。例えば、ダリア。ダリアの中でも、もちろん日持ちする品種、日持ちしない品種がありますよね。特に、今年のように暑い夏には、難しいですね。だたし、全体的に「できるかできないか」で言うと、圧倒的に「できる花」が多いです。
生産者が、自分のところで採花した花を試験するとすごく日持ちすると思います。ただ、それはお花屋さんに届いた状況(例えば湿式輸送、乾式輸送など)にもよります。その上で、日持ち保証ができるかどうかなんですけど、私はトライするべきだと思います。
ただし、これがお花屋さんにとってずっとやるべきことかと言うと、それは疑問に思うところがあります。別に保証しなくても、お客様がそれなりの日持ちで満足するならそれでよいわけなんです。ただやってみて、どうやって持たせるのかについて、あれこれ思考錯誤するので、ものすごく勉強になることが多いです。
日持ちをさせるための処理があまりにもできていない生産者が多くて、それが欲しい花であれば生産者に対して言わざるを得ない。それをひっくるめても、花屋、市場がトライするべきことだと思います。それが、日本の花の品質を確実に上げると思います。
生産者・花屋さんの中にも否定している方もいますが、きっちり処理をすればやっぱり日持ちはしますし、そうして良い花が残っていけばいいと思います。

吉村>
私は日持ち保証販売については、どんどんやってほしいと思います。一番良い点というのは、花屋さんにとっての良い教育になると思います。5日間の保証がある場合は、5日間持たせるためにはどうすればいいか、どうお客さんに説明するかを勉強するじゃないですか。それがいいですよね。

金澤>
農水省が進めている輸出なんかも、花を持たせるためには日持ち保証がベースになりますよね。ある程度どの花が持って、どの花が持たないということを把握する必要があるでしょうね。鉢花の日持ち保証はどう思いますか?
鉢花で、例えば花が咲いた状態で1ヶ月とか持って長く持てばお客さんはびっくりしてくれます。株が長く持てば持つほど、お客さんはびっくりしてくれますね。

吉村>
シクラメンが3年持つとか、あまり日持ちするとそれ以上売れなくならないのですか?消費者のところで、そこまで持つ必要があるのですか?

金澤>
自分は、5年持つシクラメンを販売しています。意外と安全だと分かると、違う色や品種でまた買ってくれる傾向にあります。逆に、持たないものを捨ててでも、日持ちする花のコレクターになってくれます。また、消費者の方が適正に管理して花を咲かせて長持ちさせられたという感動で、ペットのようにその花を贔屓にしてくれますし。

参加者B>
日持ち保障販売とは、日持ちをしない花を流通させないようにすることなのか、日持ちしなかった事をクレームとして対応するのか、どっちが重要なんですか。

吉村>
日持ちしない花は「日持ちがしないですよ」と言う前提で販売することが必要だと思います。例えば、結婚式の週末需要のように、1回きりだけどものすごく綺麗ということもありますよね。使えるところが必ずあると思います。その時に綺麗であればいいので日持ちする必要はないですよね。3日しか持たないものは持たないと示して販売することが大事で、1週間持つ花、2週間持つ花と一緒に販売すると花屋さんが使い辛いのではないでしょうか。参加者Aさん、どうですか?

参加者A>
例えば、香りのあるバラに多いのですが、3日しか持たない場合は、「もしかしたら3日しか持たない可能性があります」とお客様に伝えます。私やスタッフも日持ち保証販売を経験してみて、日持ち日数についてはだんだん分かってきました。お客さんにとって、あくまでも目安であって、楽しめれば満足してくださいます。日持ち保証に関しては、あくまで「花屋さん」が保証するものなのですが、お客さんにとっては大事な情報ですよね。

吉村>
例えば、生産者が日持ち保証をすれば、花屋さんは買ってくれるのですか?

参加者A>
それはもちろんそういう保証があれば、日持ちがするよう取り組んでいる意識の高い生産者ということですから、買うときの目安になります。

 

まとめ

「若手生産者の会」として、生産者だけでなく、多岐にわたる花業界の方々が集うイベントを行っておられるお二人ですが、今回はJELFAフォーラムとして、若手にとどまらず、様々な年齢層の花に係る関係者にお集まりいただき、2代目世代のご意見を聞かせていただきました。
新しい形式での会となりましたが、今回は参加者の中にもJELFAのイベントへの初参加の方も多く、JELFAにとっても、また業界の方にとっても刺激のある会となりました。
ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。

 

 

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