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JELFAフォーラム2014

四角い頭をまるくする!

 

2014年8月27日(水)、大手町サンスカイルームにて、JELFAフォーラム2014を開催致しました。今回は、これからこの業界を担っていく注目の精鋭お二人を生産・販売からお招きし、低迷する花き業界で、これからも前進・進化を続けるにはどうしたらよいのか・・・業界の常識を覆す方法をテーマに、花業界に一石を投じていただきました。

会場風景

 

● プログラム

13:00

開会挨拶  JELFA会長  柏村 哲徳

13:05~13:45

来賓挨拶と花き振興に関する法律の説明

農林水産省 花き産業・施設園芸振興室長 川合 豊彦氏

13:45~14:45

金澤 大樹氏 講演

14:45~14:55

休憩

14:55~15:55

山﨑 年起氏 講演
16:00~16:40 質疑応答
16:40~16:45 閉会挨拶  JELFA副会長 佐無田 仁
17:00~19:00 交流会

● スピーカー紹介

グリーンルーツ金澤氏写真

株式会社グリーンルーツ 
代表取締役  金澤 大樹氏

2004年 関西学院大学商学部卒業後、新潟県で花木生産を研修、その後NZに渡り、カラー球根生産や少子高齢化の島国のマーケットを研究する。
2005年 オランダ3社にて、ユリの球根・観葉植物・胡蝶蘭生産研修後、OSCOGARDEN BVに勤務。
2008年 矢祭園芸に入社。生産と育種の他に、全国若手会、屋内緑化推進協会などの活動に積極的に参加する。
2014年 株式会社グリーンルーツを設立。「農業生産業」の一言では説明がつかないジャンルの活動の、より活発化を目指す。種苗管理や種苗販売、植物等卸売業、先進的農業機械販売、販売員育成、マルシェなどのイベント企画を行う。矢祭園芸見習い社員でもある。

ヌボー生花店 山﨑年起氏写真

株式会社ヌボー生花店 
代表取締役社長  山﨑 年起氏

立命館大学理工学部情報学科卒業。
大学卒業後、東京の大手システムインテグレータに入社。大手製造業の生産管理システムの企画に携わり、プロジェクトマネージャーとして活躍する。
家業であった株式会社ヌボー生花店の業績悪化を受け、2006年に帰省。前職の経験を活かし、ITシステムを積極的に活用しながら、大規模なコスト削減に取り組み、1年で黒字回復。「ステークホルダー満足」を理念とし、顧客・社員・家族・生産者・取引業者・地域社会、皆から愛される会社にすべく、日々”ファン創り”に奮闘している。特に「女性社員が輝く会社組織を創る」を使命とし、社員教育に余念がない。

 

講演内容の抜粋

金澤 大樹氏
「生産者視点 花き消費拡大の可能性と方法」

私は生産者として、花のフェアに参加し、またイベントなどを企画して、花の販売促進と普及に取り組んで参りました。
春の花々とクレマチス展は7年続けていますが、始めは矢祭園芸の他にクレマチスの苗で有名な会社も参加していました。矢祭園芸はその中で、鉢物の生産者ということで参加をしていました。結果的に儲からないということで、現在は当社だけが継続して参加しています。

 

リビングデザインオゾンで販売会を行った際に、単純陳列販売と接客販売をした際に消費者が買っていった価格帯です。置くだけの販売方法は接客販売を行った時と比べて200円も売り上げに差が付きました。

 

また2月に行われたテーブルウェアフェスティバルで販売した際は、単純陳列販売では150円では売れたが、接客販売を行ったところ400円でかなり売れました。250円の差が出たのです。

 

2月のテーブルウェアフェスティバルと3月の春の花々とクレマチス展で、シクラメンの販売を行いました。この時期、市場での単価はほぼ0円に近い金額で取引されており、それを実際に消費者に直接販売を行うと、単純陳列販売では600円でした。しっかりと接客をすれば4,000円で売れました。過去何年も続いていることで、試験的にD一園芸で3月に上代30,000円で10号鉢シクラメンを販売してもらいましたが、結果、置いたその日に売れてしまいました。消費者からも、なぜ12月を過ぎるとシクラメンは売られなくなってしまうのだろう?という疑問もありました。

 

暮らしのリビングデザインでのワークショップでは、1ポット300円で陳列販売をしたときの売り上げと、苔だまワークショップで同じものを3ポット1,500円で販売した時では、後者の方が売り上げが高かった。同じものにもかかわらず、何か情報を付加させることで、消費者の目先が価格から移させることができました。

 

 

私が接客する際にいつも考えていることを、「サイモンシネックのゴールデンサークル」で考えてみます。
Why → 中心  自分が今していること。お金を稼ぐは含まれない。目的大義理念などが含まれる。
How → 真中  自分がしている手法。独自の工程や付加価値のこと
What → 外側 自分がしていること。製品やサービス。

 

大概、消費者へのアプローチは、自分の商品の付加価値やサービスについてのみ、行うことが多い。何のために自分がこの商品を販売しているのかあまり触れないために、消費者をインスパイアさせることができない。価格や商品のサービスが平準化してしまった現代に於いて、付加価値、サービスなどの説明は、消費者にとってあまり重要な選択肢にはなっていないと思います。自分たちがなぜ、この品種を育成しているのか?自分たちがなぜ、この人の切り花を扱っているのか?ポリシーを持った販売をすることで、消費者を感化させることができ、店舗への信頼も得ることが可能になる。この信頼が、『ブランド』という形になり、消費者に認知されていくのだと思います。

インスパイア(inspire)=鼓舞する、元気づける、動機づける、刺激を与える、などの意。

 

販売例として、

 

◎Whyを語らない売り方

私たちは素晴らしいシクラメンを作っています。
価格安いし品質も良い、管理もしやすい。すべてにおいて、消費者を満足させることができるでしょう。一鉢いかがですか?

 

◎Whyから始まる売り方

現状のシクラメン市場、品種などに疑問を持ち、その本質を追求するのが私たちの心情です。変わった品種の育成を行い、強健さを兼ね備え、消費者にとって管理しやすい品種を作り出すことで、現状に挑戦しています。その結果、素晴らしいシクラメンが出来上がりました。一鉢いかがですか?

 

後者の方が消費者をインスパイアしやすい。もはや価格ではなくなっている。

 

ワークショップの例にもある様に、消費者はモノにお金を支払わず、情報など形がないものに支払う傾向にあります。インターネット販売では写真を見て、説明を読んで、商品を購入する。情報的付加価値が商品の価値を想像することができない。つまり、消費者は理解できないもには手を出さないのです。

 

今の時代に求められているものは、生きている情報ではないでしょうか。物を売る人が、なぜこの花を売っているのか?なぜこの花を勧めているのか?なぜこの時期にこの花なのか?なぜ菊は仏花なのか?なぜ母の日には赤のカーネーションなのか?そのようなことをわからずに販売していることが多い。
例えば、現在は赤のカーネーションは母の日の花として定着していますが、それは戦後の話で、戦前は白いカーネーションでした。最終的にはお母さんが好きな花ということで、白い花であれば何でも良いということになりました。これは実際、『園芸』という本に記述されています。また、鉢物カーネーションも、現在は赤以外の色が沢山育種され市場に出回っているが、これもここ20年以内の出来事で、矢祭鉢物研究会で初めてピンク色のカーネーションが販売始まった頃、多くの市場「赤以外のカーネーションは売れない」ということを言ってきました。しかし、最終的にピンクも売れると分かった途端、手のひらを返したように引き合いが強まりました。結果的に、売る側の思い込みにより、売れなくなっていることが多のです。
インターネット販売は、現状で圧倒的に販売力はあるが、結果的に消費者をインスパイア(鼓舞)するという観点に於いては、接客販売にはインターネット販売はかなわない。今後消費を伸ばすためには、接客技術の向上が必要になる。

 

「物を売らないで人を売る」。多くのイベントに参加している中で、丁寧に接客していると、あなたから買いたい、と言ってくれるお客さんがいます。このような消費者を作り出すことがこの業界に大変必要なことだと考えています。
今までのことは生産者も全てに同じことを言うことができ、自分たちの作ったものを買ってもらう販売店さんたちをインスパイアしていきながら、情報の流れを作ることを考えなければならない。
この流れが信頼につながり、ブランディングが成功し、販売が拡大していくのではないだろうかと思う。

 

キーワードの1つは「インスパイア」
消費者をインスパイアする、ワクワクさせるような販売をする。また消費者をインスパイアできる生産者になる(情報を提供する)。情報伝達の中にインスパイアが乗れば、消費拡大の可能性がある。1つの取り組みとして、実践してはいかがでしょうか。

山﨑 年起氏
「花屋の常識をぶっ飛ばす!」

山﨑さんの講演は、あるトリック画像と、ある問題提起から始まりました

女性が回転するこの画像、見方によって右回りに見える人、左回りに見える人がいます。
皆さんは、どちらの方向に回転していると思いますか?
実は・・・見方によっては、どちら回りにも見える画像なのです。一度見えた視点を変えることはできるでしょうか?

 

 

こちらは“桃の香りと味のする苺”で、「軽井沢貴婦人」と言います。超高級品で、1箱12粒入りで12,000円です。あなたは、苺が1粒1,000円で売れると思いますか?
高いので、「売れない・・・」と考えるでしょうか。しかし、ドラえもんののび太君ですら、こう言っています。「一番いけないのは、自分なんかダメだと思い込むことだよ」。

 

 

ヌボー生花店は、両親が長野市内で開業しました。
弊社は地域に密着型の生花店で、お店での販売の他に、会社のイベント、結婚式、葬儀と、これらを4本の柱として営業を行っておりました。
しかし、会社での社内需要の減少や、結婚式にお金をかけない、葬儀は葬儀屋さんで一切を取り行う、など、花屋の出番は減少の一途でした。ヌボー生花店も徐々に経営難に陥りました。
私自身は、大学卒業後、IT関連企業に就職し、花とは全く違う業種に入りました。私がヌボー生花店の経営に入ったのは10年ほど前なのですが、経営の数値化、人材育成はもちろんですが、先代から引き継がれた考え方を大切にし、まずは、お客様の困り事の解決屋になることから始めました。

 

 

例えば開店祝いで、あなたは開店するお店のスタッフだとします。
花屋さんがお祝いの花をどんどん持ってくる。そのうち、宅急便でも花が届き、時間がなく、開けられないからバックヤードに持っていく。観葉植物の大きいのやら胡蝶蘭も届く・・・もうやってられなくなる。こんな時、長野市内の人は、ヌボー生花店があるからいいのです。

 

ヌボー生花店は花屋さんではなく、「お花の困り事解決屋」なのです。

開店花なども、後の処理を一手に引き受けます。例えば、ギフトのダンボール箱も積極的に引取ります。「花贈りリマインドサービス」というものを実施し、誕生日や結婚記念日などの大切な日に、うっかりお花を贈ることを忘れないよう、情報をデータ化し、事前に問い合わせをさせていただく形で、花を忘れずに贈っていただくサービスを行っています。お客様の立場に立って物事を考え、お客様の困りごとを積極的に摘み取っています。
また、お届け先で「お花をもらってもいろいろと面倒だよね~」という思いをなくす努力をしています。鉢花や観葉植物の育て方や処理方法を積極的に伝え、また切り花を長く楽しんでいただく方法も伝えます。切り花栄養剤も、必ず添付します。胡蝶蘭が終わった後の処分に困っている鉢や空鉢の回収も、私たちで実施しています。

 

いろいろと販売の努力はしておりますが、そうは言っても、結局販売するのは「人」です。スタッフ一人一人のモチベーションを上げることはものすごく大切と考えていますし、飲み屋で、一杯入ってのコミュニケーションも大事と考えています。生産者との交流を深めるため、産地へ入って寝泊りしながら、研修をさせてもらっています。お金はかかりますが、必ず続けています。産地の情報を集めて、お客様に伝えることは本当に重要ですから。また、スタッフにも花の好き嫌いがあります。お店の花を持って帰り、実際に家で観賞しケアする、ということも随時実施しています。その花の意外な魅力を知り、興味を持つことでまた一つ新しく学ぶ。こういったことを地道に実践していっています。
それからお客様のとのコミュニケーションから集めた生の声は、社内全員で共有し、どのような場面でも対応できるよう準備をしています。 
これらは一部ですが、これらを実施することでスタッフが実力を付け、お客様により良い対応ができ、お花の魅力を伝えられるよう、日々努力を続けています。

 

 

これは私が最も感銘を受けた言葉で、スターバックスの経営者ハワード・シュルツの言葉です。

 

 

異業種から花業界に来られた山﨑氏ならではの視点で、しかし本質を見極め、お客様の視点に常に立ち、そのニーズに答えるための、社内での実践が伺えました。アンケート結果からも、「勉強になりました!」というお声がたくさんいただけ、良い反響を多くいただけた講演となりました。

 

アンケート結果 72名参加中32回答(44%)

金澤さんの講演について、ご意見をお聞かせください。

日頃自分が?と思っていることの確認ができ、方向が見えた点が良かったです。

2月~3月のシクラメン。花の情報価値の伝え方次第で売れないと多くの方が思い込んでいる商品が売れるようになることの驚きと、情報価値を伝える、知ってもらうことを再認識しました。

実は昔から分かっていたことの一つかもしれない所に着眼点を置いて、今に足りていないポイントとして出してもらったことで、今一度目の置き方を気づかせてくれた。

花を販売する生産者のお話として、とてもいい販売方法だと思いました。

生産者視点から見た花の価値の提案、付与について、伺うことができ良かった。

新しいアクティブな活動が良いと思った。

具体的実践事例をもとに、理論的な整理を行われ、素晴らしい内容でした。

山﨑さんの講演はいかがでしたか?

考えを明確な言葉で説明していただけるので、理解しやすく、かつ概念として具体化できてよかったです。

価格以外の価値を提供する事の大切さと、それを継続するということは素晴らしいと思います。

おもしろい!

物を販売することを考えるに当たり、参考にして足元を見直してみます。 ありがとうございました。

小売店にも聞いてほしい話であった。

社員教育、会社のルール作りについて悩んでいたので、具体例を挙げて説明して下さり、大変分かりやすかった。

現場の生の声が聞けた。

いつもながらシャープな語り口で参考になりました。自分の会社に生かします。私は「超」がつく言い訳の天才です。

見る方向を変えるだけでいろんな攻め方ができると思った。

以前一度講演を聞きましたが、今日の内容はとても良かったです。具体的な例も多く、同感できることが多かった。

さすがに興味深い話題が多かった。生花店相手にもっと話してほしい。

研修制度が良かった。

花屋さんの視察受け入れはOKなのでしょうか。

業界の既成概念を変えようとするお二人の提案について、〇印を入れてください。(複数回答可)

具体的で良かった 27票

あまり具体的でなく、分からなかった 2票

賛同して、実勢していきたい 10票

業界の最近の現状に対して、どうお考えですか。

現状通りで良い 0%

何か変える必要を感じている 38%

賛同して、実勢していきたい 53%

未回答 9%

具体的に

花育などの活動をする必要がある

流通・販売・教育など

それぞれの立場での意識改革が必要

もっとオープンに!壁を越えた協同。頑張っている人、会社の足を引っ張らない

花き振興法を活用する

当社がまず変わること

鮮度、物流、商品説明(価値)

生産、流通、小売りにかかわる物の考え方

販売のプロの育成及び雇用形態の確立

葬儀で輪菊を使用しなくなっている。低予算化。

その他、ご意見

打開策を考えようとしていないように感じる

花を知らない花屋が多い

男性社会も変えたい!

金澤さん、山崎さんともに素晴らしい講師ですが、どんどん違う人たちも出てきてほしいですね

売れるために業界が1つになること。すべての団体、花店、生産者が自分が一番だと思い込んでいることがネック

変えるというより成長していく必要を感じる

花生還の大規模化

菊の産地が心配

金澤氏、山﨑氏の講演内容は、「今の視点を変える」ということが起点となっておりました。ご覧のように、アンケート結果では、業界の現状について「何か変える必要がある(38%)」「大きく変える必要がある(53%)」(合計91%)と、変革を必要と考える人が圧倒的でした。今回の講演により、新たな方向に向かえるきっかけができ、業界が少しでも前進することを期待します。
フォーラムにご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

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