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定期研修ツアー

定期研修ツアー2011

 

期間:2011年11月2日(水)~11月10日(木)

 

欧州の花き鮮度保持流通システムを学ぶため、オランダと鮮度保持発祥の地イギリスを視察してまいりました。卸売市場、ブーケメーカー、資材メーカー、鮮度保持剤メーカー等から、17名が参加しました。 

 

集合写真

 

[ツアー日程]

※色なしはオランダ、黄色部分はイギリスです。

11月2日(水) 出国
11月3日(木) シェアーホランド社(バラ生産・ブーケメーカー)
  アールスメア トレードフェア 2011 (展示会)
  IFTF 2011 (展示会)
  ホルティフェア2011 (展示会)
11月4日(金)

フローラホランド アールスメア花市場

(セリ場、テストルーム仲卸)

  ヒルベルダ社(輸出業者)
  オリジ ローゼン社(バラの育種業者)
  ヴァン クラヴェレン社(アジサイ生産者)
11月5日(土) ウェイトローズ、テスコ(スーパーマーケット)
11月6日(日) 終日自由
11月7日(月) フィンレイ社(ブーケメーカー)
  センズベリー、M&S (スーパーマーケット)
11月8日(火) アンスラ社(鉢・切花アンスリウムと胡蝶蘭の育種)
  ミニセミナー開催
(JELFAフォーラム2011の講師、ピーター・ボウマ氏による
 

デリフローラ社(菊の育種業者)

ジャンボ(スーパーマーケット)
11月9日(水) フローラホランド ナールドワイク(セリ場、テストルーム)

11月10日(木)

帰国

 

視察場所を業種ごとに紹介します。

 

●花市場

★フローラホランド アールスメア花市場
世界一の花市場。売り上げが年4,500億円。切花取扱いは110億本(年)、
鉢物は13億鉢(年)、面積は270万平米(サッカー場500面分)。

花市場写真 花市場写真
▲セリ市場 ▲花持ち試験室
花市場写真 花市場写真

 

★フローラホランド ナールドワイク花市場

ナールドワイク花市場はアールスメア花市場のシステムの改善点を取り入れており、効率良く建物の形態が配備されている。テストルームでは生産者に対して前処理をしているかどうかを抜き打ちチェックするなど、適正な出荷をしているかどうか化学的にチェックしているようである。

花市場写真 花市場写真

花市場写真

▲温度管理

花市場写真

 

=視察レポート=
*集約化*
両市場ともフローラホランド社の支社であり、市場間の集約が非常に大きく進んでいる状況。

 

*徹底した温度管理
一般的な切花、バラ、鉢物でそれぞれ温度を変えて管理されており、業界全体の温度管理に対する意識の高さを感じる。

 

*レベルの高い研究施設
フローラホランド社で見学した典型的な花持ち試験室以外に、フローラホランド・ナールドワイクでの専門的な試験室は今後の日本の研究施設の方向性に参考になる部分が大きいと思われる。

 

*電子化(ネットワーク化)、機械化
ネットワーク化が進み、セリ場に行く必要がなくなってきている様子は花市場の進化を見るよう。また到着した花の台車輸送も機械化しており、ほとんど人の様子がない。 効率を高める姿勢は、日本も見習う部分が多い。

 

*生産者との協調体制
市場から職員が派遣され、生産者からの依頼で製品のPR、コンサルティングを請け負うなどの協力体制が整っている。生産者が市場の株主であるという点も大きいが、こうした利点のため、市場を経由して商品が流通する体制が維持されている。

 

*参考にできるポイント
花の鮮度向上には温度管理は必須であるが、日本での業界全体での認識の定着には疑問点がある。何らかの形で業界全体で、共通の意識の構築が必要。またダンボール箱(アンスリウムなどに利用)の再利用はごみ軽減などのポイントで、日本も採用していくべきではと思う。

 

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●生産者、輸入業者

★シェアーホランド社

バラの生産者であり、ブーケメーカーでもある。生産についてはケニアへ進出した最初の生産会社である。現在はケニアから移行し、エチオピアでバラを生産、輸入・加工販売している。一日のバラ取扱量は150万本。
エチオピアでの栽培については、そこで働く人に対して学校や病院などを作り、働いている人やその家族が生活できるような村のような仕組みで運営されている。

シェアーホランド社写真 シェアーホランド社写真
シェアーホランド社写真 シェアーホランド社写真

 

★ヴァン クラヴェレン社

アジサイ生産者で苗を生産者へ販売する事業も行っている。栽培のアドバイス、品種改良、切花生産のアドバイスなども行っている。年間で挿し木が135万本、根無しカット苗20万本、根付きカット苗60万本、ポット苗55万ポット、切花用苗16万本、半製品12万株の生産量です。

ヴァン クラヴェレン社写真 ヴァン クラヴェレン社写真
ヴァン クラヴェレン社写真 ヴァン クラヴェレン社写真

 

★オリジ ローゼン社 

バラの育種業者。育種、生産、増殖の3つの事業を手がけている。
近年はオランダ国内のバラの栽培状況は減少傾向をたどっているので、1000ヘクタールあったものが400ヘクタールまで減産。育種・増殖に力を入れている。
育種業では、ロックウール栽培で30~40品種は試作を重ねる。5~6年間を費やし3万本から6万本を栽培して、商品となるのは3本程度の確率である。品種販売があるので経営ができるが、生産だけでは非常に厳しいのが実情である。

ヴァン クラヴェレン社写真 ヴァン クラヴェレン社写真

 

★アンスラ社

アンスリウムの最大手の種苗会社。製品、苗販売を行う。1974年から栽培をはじめ、現在は育種にて商品の開発増殖を手がける。面積24ヘクタール。
矮化剤を使わずに均一に栽培できるものを育種選別。
胡蝶蘭も育種している。日本の品種もあり、アンスラ社が苗を販売している。

アンスラ社写真 アンスラ社写真
アンスラ社写真 アンスラ社写真

 

★デリフローラ

世界一の輪菊・スプレー菊の種苗会社。1日に200~300万本の苗を植え付け。
カット苗を挿す作業は手作業だったが、今後は機械作業となる方向。 実際DENSOのロボットを導入し、カット苗を選別し穂木を採り、苗挿しを機械で行う技術が確立されていた。

デリフローラ写真 デリフローラ写真
デリフローラ写真 デリフローラ写真

 

★スプレーマムの生産農家

栽培パターンは、定植して9週間で出荷し、年に5回の栽培サイクルを行っている。出荷後すぐに次の栽培に入り、数週間も圃場を空けることはない。年間700万本出荷し、作業員は4~5名である。
ハウスの通路の下はベルトコンベアーが走っており、採花品はすべてこのコンベアを通じて運ばれ、出荷場へ運ばれる。出荷品はバケットのものと箱のものに分けられる。用途やグレードによって出荷仕様を分けている。

スプレーマムの生産農家写真 アンスラ社写真
スプレーマムの生産農家写真 スプレーマムの生産農家写真

 

=視察レポート=
*大規模生産は海外へ移行
 オランダでは、大きな規模の生産をコストの安い海外(エチオピア、ケニアなど)にすでに移管、完了している。シェアーホランド社ではバラ生産(エチオピア)のため、学校や病院などを建設し、「町」のような位置づけで、労働者やその家族が生活できる仕組みが作られているほどである。

 

*研究開発はオランダで 
 生産の大部分がアフリカに移転する一方で、オランダ国内では研究(新種開発、テストなど)に力を入れている。オリジローゼン社やデリフローラ社などでは品種改良、新品種の研究でパテントの取得、他社への株販売、外部からの品種テスト委託を受け、研究が必要な分野を強化している。生産による単純なコスト競争を回避していて、棲み分けが進んでいる印象が強い。

 

*徹底した機械化と効率化
 デリフローラでは自動車の生産工場のような設備で、あたかも花が「工業製品」であるかのような機械化を徹底、効率を上げている。実際ロボットを導入して、カット苗を選別して穂木を採って苗挿しを行う技術が確立されていた。また、業界全体でダンボール箱の再利用(数年)を徹底していて、「無駄を減らす」という意識の高さは日本も学ぶべき部分である。

 

*参考にできるポイント
 今後日本でも輸入花の比率が増えると考えられるが、オランダのこの「差別化」のシステムを日本でうまく採用できるのではと考える。輸入の花では達成できない高い品質を国産で達成すること、研究開発に比重を置き、その成果をコストの安い海外で生産させるなど、学ぶべき方法があると思われる。

 

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●ブーケメーカー、仲卸

★シェアーホランド社>>

 

★ヒルベルダ社

従業員は250名。世界50か国に輸出している。仕入れた商品はアールスメア市場から台車毎のシャトルで直接入荷され(約21分)、仕分け後各国へ輸出をする。入荷後、品質管理のため商品チェックを行い、バーコードを発行して商品管理を行う。価格以外のすべての情報を表示できるような仕組みにしている。

ヒルベルタ社写真 ヴァン クラヴェレン社写真
ヒルベルタ社写真 ヒルベルタ社写真

ヒルベルタ社写真

ヒルベルタ社写真

 

★フィンレイ社(イギリス)

Tescoやセンズベリー、M&S,コープなど大手スーパー向けに花束を加工し収めている。
バラやカーネーションがメインでケニアなどから入荷されている。オランダの市場からはキクやガーベラやその他の品目などはバケット輸送で入荷されている。 
ケニアから来る場合は、規格によってはそのまま販売できるように、ラッピングや札なども加工された状態で空輸入荷。花束加工場で茎を切ってバケットに入れ、出荷準備を行う。
場内のバケットはオランダのバケットを使用し、利用料も払っている。 一度使ったバケットは洗浄、洗浄工場も自社にある。それ以外はすべてオランダへ返す。
ブーケについては自社のデザイナーによってデザインされ、スーパーへ提案する形で進める。また花持ち試験は自社で行い、納品するブーケについても花持ちの確認を行っている。 

フィンレイ社写真 フィンレイ社写真
フィンレイ社写真 フィンレイ社写真

フィンレイ社写真

フィンレイ社写真

 

=視察レポート=
*温度管理
ブーケメーカーでも温度管理は大きく意識されており、業界全体で花持ちへの共通認識がシェアされている状況が分かる。ただしシェアーホランド曰く「エチオピアで採花されてから出発地の空港まではまだ温度管理が出来ておらず、高い気温の状態である」との事で、100%管理されているわけではないのが判明したのは興味深い。

 

*鮮度保持剤の添付
花束の加工の際、日持ち保証が明示され、それに伴い必ず鮮度保持剤の添付が行われている。明確に日本が立ち遅れている部分。

 

*デザイン志向
スーパーの花束のデザインについても意識が高く、ブーケメーカーにもデザイン室が設置されている。それが製品のレベルを上げ、購入意欲を促進し、売り上げに繋がるという良好な相関関係を確立しているものと推察。

 

*参考に出来るポイント
温度管理、日持ち保証、鮮度保持剤の添付などのポイントは全て日本に応用可能で、今後の花の品質向上、普及に関しての必須ポイントであると考えられる。 またどの段階の業務でも温度管理は出来るだけしっかり行っていくという「意識の共有」は、日本が早々に学び、実現させるべき部分ではないだろうか。

 

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●スーパーマーケット

★ウェイトローズ (イギリス)

★テスコ (イギリス)

★センズベリー (イギリス)

★M&S (イギリス)

★ジャンボ (オランダ)

スーパーマーケット写真

スーパーマーケット写真

スーパーマーケット写真 スーパーマーケット写真

スーパーマーケット写真

 

スーパーマーケット写真

スーパーマーケット写真
スーパーマーケット写真  
   

 

=視察レポート=
*鮮度保証
鮮度保持剤の添付、日持ち保証の普及が言うまでもなく進んでいる。

 

*充実の品揃え
価格・デザインに幅を持たせた商品が並び、「花が欲しくなる」よう上手く販売されている。
しかしイギリスとオランダではスーパーの立場が異なる点を確認した。
オランダでは消費者は町の花屋さんで花を購入することが多い模様。 それぞれの店舗が特徴を出した営業をしている。スーパーの売り場は、ジャンボ以外は簡単な花束と鉢物を置くといったラインナップ。 
イギリスでは「スーパーで花を購入する」という意識が浸透していて、価格幅(5ポンド~15ポンド)を持たせた商品展開ができている。オランダのスーパーに対して平均2~3倍の花売り場が展開されていた。

 

*責任範囲
イギリスでは大手スーパーがそれぞれ自前でバケツを供給・洗浄し、ブーケメーカーに供給していた。日本との大きな違いを痛感した。

 

*参考にできるポイント

日持ち保証の花束を抜き打ちで試験(花持ち)を行うことや、ラベル管理によりクレームの原因を徹底追跡できるところなどは、今後参考にできる。また鮮度保持剤の必要性を認知・定着させることが、今後更に必要である。一方で花持ち以外にもデザインの更新やラインナップの充実は、日本でも力を入れていくべきではと思う。 また加工業者、スーパーがそれぞれの責任や負担をうまく分担し、一方だけが損得をすることがない図式になっている点は大いに参考にできるポイントである。

 

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〈ミニセミナー

今回のツアー中には、JELFA フォーラム2011で講師をしていただいたフローラホランド花市場のピーター・ボウマ氏(アフリカからの輸入を担当)を交え、ミニセミナーを開催致しました。 質疑応答の中から抜粋します。 ピーター・ボウマ氏写真

Q: 景気が悪くなり、花の需要が伸びない、売れないというとき、どのような対策をとっているのか?
A: 市場はもはや販売をする側ではなくマーケティングをする側、という立ち位置。景気が悪くなると消費者は心理的に買い控えをするが、フローラホランド花市場はマーケティングの会社という意識で、花を販売する販売店にサポートをする体制を整えている。消費者の不安を取り除き、花を購入する購買意欲を持つようなサポートを販売店と協力して行う。Retail Support(小売サポート)というもので、内容によっては有料で小売店向けにマーケティング活動を行う。 
フローラホランド花市場の株主は生産者であり、フローラホランドは生産者の為に働く。 販売店へのサポートをし、流通をまとめていく。
例えば、花の販促キャンペーンもただやるだけではうまくいかない。 過去に違う植物の組織が同時期にキャンペーンやプロモーションを行い、販売店は同時期に複数のキャンペーンを行うことになった。 当然、販売店は混乱し、消費者はその中から一つ選択するのでキャンペーン効果は得られなかった。マーケティングとして、キャンペーンの内容、時期、国による催事、その他イベントなど網羅し、プロモーションやキャンペーンがかぶらないような効果的なサポートができるように取り組んでいる。
価格についてもフェアープライスという意識で、販売店をサポートして話をし、価格調整も行う。 流通によってかかる費用は変わってくるが、生産者のための組織として成り立つような運営を行い、手数料に関しても状況に応じて対応する。

 

Q:フローラホランドが合併後、メリット・デメリットはあるのか? 
A:メリットとしては、統合することにより、すべてのものが一本化でき、余分な費用、経費、支出が集約され、コストが下がった。デメリットとしては、1社になったことにより独占市場の状況となるので、その点では注意する必要はあるようだ。しかし、現状はメリットの方が高く、デメリットとしてはあまりない様子であった。

 

 

〈展示会

今回は3カ所の展示会を訪問しました。

★アールスメアトレードフェア2012

アールスメアトレードフェア2012 写真 アールスメアトレードフェア2012 写真
スプレーマムの生産農家写真 スプレーマムの生産農家写真

 

★IFTF

IFTF 写真 IFTF 写真
IFTF 写真 IFTF 写真

 

★ホルティフェア

 

ホルティフェア写真 ホルティフェア写真
ホルティフェア写真 ホルティフェア写真

 

最後に・・・
2012年も秋にオランダ+1か国での定期研修ツアーを予定しております。情報はホームページにアップデートしますので、皆様お誘い合わせの上、是非ご参加ください。

スプレーマムの生産農家写真 フラワーショップ写真

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