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定期研修ツアー

JELFA定期研修ツアー2012

 

期間:2012年10月31日(水)〜11月8日(木)

 

JELFAでは年に1度、欧州の花き鮮度保持流通システムを学ぶツアーを開催しております。 その最先端を行くオランダと、今回は東欧でも経済的に発展を続けているハンガリーの首都ブダペストを視察しました。 卸売市場、資材メーカー、鮮度保持材メーカー等から13名にご参加いただきました。

 

集合写真

 

[ツアー日程]

10月31日(水) 出国
11月1日(木) アールスメアトレードフェア2012(展示会)
  IFTF(展示会)
  ホルティフェア2012(展示会)
  アムステルダム市内視察 (シンゲル花市場等)
11月2日(金) フローラホランド アールスメア 花市場
  (セリ場、テストルーム、バケツ洗浄、仲卸等)
 

ヒルベルダ社 (輸出業者)

マジョランド社(バラ生産)

  デュースルイテン社(ユリを中心とする生産)
11月3日(土) ブダペストへ移動
  市内のスーパーマーケット、花店でブダペストの花事情を調査
11月4日(日) 終日自由
11月5日(月)

ブダペスト中央市場

生花店視察

  アムステルダムへ移動
11月6日(火) ロイヤルヴァンザンテン社(種苗)
  ブバルディアの生産農家
  スーパーマーケット視察(ジャンボ・アルバートハイン)
 

アンチュラ社(洋蘭・アンスリウム生産)

ガーデンセンター

11月7日(水) フローラホランド ナールドバイク花市場
 

(セリ場、テストルーム、輸入品のリパック場等)

クレスコボスコープ社(枝物生産)

11月8日(木)

帰国

 

視察場所を紹介します。

以下のレポートは、今回このツアーにご参加いただきました国際紙パルプ商事株式会社 営業推進営業本部 吉田 圭様よりいただいたものを抜粋しております。

 

オランダ

●展示会

★アールスメア トレードフェア2012

アールスメア市場が買参人向けに行う展示会で、同市場に花を出荷している生産者(組合員)をメインとして、延命剤メーカーや包装資材メーカーなど合計約400社が出展している。会場はアールスメア市場の施設。

展示会写真 展示会写真
展示会写真 展示会写真

 

★IFTF(International Floriculture Trade Fair)

アールスメアトレードショーやホルティフェアと同時期に開催される総合花卉園芸見本市。業種を問わず様々な企業が出展しており、種苗会社(日本からはタキイ種苗が出展)や資材関係(輸送用バケツ、ラック、包装用紙箱など)の企業も参加していた。会場はアムステルダムから車で15分の距離にある都市「ハーレム」の展示会場。

展示会写真 展示会写真
展示会写真 展示会写真

 

 

★ホルティフェア

従来は世界最大の国際園芸見本市として有名で、05年時点では世界110ヶ国から50,000人以上の来場者が集い、出展社数も600社に及ぶ程の展示会であったが、近年は規模を縮小。今年は展示会場全11ホールの内4ホールのみでの開催となっており、出展社も園芸施設メーカーや花束加工機メーカーの大手数社が参加するに留まっていた。こうして機械メーカー向けにシフトしたこと、また同時期開催のIFTFやアールスメアトレードショーへの客離れが要因で、規模を縮小せざるを得ない状況となっており、本展示会は今年(57回目)が最後の開催となった。

展示会写真 展示会写真
展示会写真 展示会写真

 

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●花市場

★フローラホーランド(FloraHolland)について

年間取扱高40億ユーロ(取扱数量120億本)、従業員4,600名、組合員(生産農家)5,000件。元々はアムステルダム地域の生産農家が組合を作り、市場を形成したことに端を発している。2008年に本視察拠点であるアールスメア花市場を経営する「Bloemenveiling Aalsmeer」と、最終日に視察したナールドバイク花市場を経営する「(旧)FloraHolland」が合併したことにより、現在のフローラホーランドが設立。二つの市場以外に、レインスブルク、ブレイスウェイク、エールデ、フェンロ—と合計6つの花市場を経営している。

 

★アールスメア花市場について

フローラホーランドが保有する花市場で、世界最大の取扱量(世界の四割)を誇る。年間取扱高20億ユーロ(取扱数量50億本)、従業員1,300名、敷地面積100ha※。取引は輸出業者や大手仲卸業者のみを対象としている。  市場内には、低温管理されて花が運ばれる荷受場・セリルーム・分花場・出荷場(トラックヤード)・仲卸直結配送コンベアの各工程と、特別に仕切られた品質テストルーム・バケツ洗浄室などがあり、それぞれの案内を受けた。

 

★セリルーム

セリルームは市場内に5か所あり、セリ時計は全部で13個設置されている。冒頭に述べたように、現在は大手仲卸業者は事務所に居ながらセリに参加できる(在宅ゼリ)為、セリルームに人は少なく、又市場も今後セリルームの規模縮小を図り、他の機能への注力を見込んでいるとのことであった。(10年実績で実セリと在宅ゼリの割合は半々)

花市場写真 花市場写真

 

★品質テストルーム

セリ機能の簡素化に代わり、アールスメア市場が力を入れている取り組みの一つが、“品質管理機能”。毎朝抜き打ち検査員が、入荷した花を確認し、適正な品質が保たれていない生産者に対して厳しく指導、時には販売を拒否する場合もある。 これに加えて、テストルームでの充実した品質テストも実施。対象となる花は生産者が自主的に持ち込んだものがほとんどで、市場による品質のお墨付きをもらうことが狙いと見られる(実際にテスト結果はwebなどで公表され、高い評価を得られれば付加価値の向上に繋がる)。この日視察した室内では、数種類の切花と胡蝶蘭の実際のテスト状況を見学できた。

品質テストルーム写真 品質テストルーム写真

 

テスト例)

-品種:バラ

 

-輸送シミュレーション:採花後4日間8℃の環境におかれた状況を想定し、同条件で花を保管

 

-小売シミュレーション:店頭にて2日間20℃の環境におかれた状況を想定し、同条件で花を保管

 

-テストルーム:上記条件を満たした状態でテストルームで観察
(延命剤としてクリザールを使用)

 

-評価:週3回花と水の状態を確認。最終的にオランダ花卉協会の品質管理
基準に基づきジャッジする

 

現在は単なる日持ち確認に留まらず、「webカメラを導入したネット中継」「新品種へのプレミアム価値選定」「承認されればセリの順番が早まる“フローラホーランドクオリティ制度”」などの試みを実施している。費用は切花が€30/束、鉢花が€120/鉢で、一般的な品種(バラ、ガーベラ)は毎週生産者が持ち込んでいる。

 

 

★バケツ洗浄室

流通バケツの洗浄室の内部を視察。鮮度を保つ為切花は水の入ったバケツに入れた状態で出荷(湿式輸送)されるが、アールスメア市場ではこの際に使用されるバケツ使用料を、買参人に一時的に負担させる(購入時)デポジット制となっており、使われたバケツは再び市場へ戻される(リターナブルユース方式)。
洗浄機は全部で4台。内アールスメア市場が所有する機械は2台で、他の2台は「limex」社の所有物(兼弥産業の洗浄機も同社製)。洗浄量に応じて、limexの協力を得る形で運用されている。洗浄数は一台当たり10万個/日に及ぶ。

バケツ洗浄室写真 バケツ洗浄室写真

 

★フローラホーランド/ナールドバイク花市場

フローラホーランドが経営する、アールスメア花市場に次ぐ花市場。5年前の改装により、アールスメア市場より設備は新しく、荷物の輸送も効率を意識した構造となっている(セリ後の荷物は、レールと傾斜のある道に沿って動く)。セリルームは4か所、セリ時計は全部で10個設置されている。アールスメア同様セリルームに来る買参人は減っており、在宅セリへのシフトが顕著。また相対取引(事前契約によりセリを介さず生花を仕入れること)の割合を聞くと、セリと相対で半々とのこと※。※FAJではセリ:相対=3:7 品質テストルーム(日持ち試験室)を視察。アールスメア花市場と異なり、製品への品質保証よりも日持ちさせる方法の検証に注力しており、生産者や種苗会社が市場と協力して、日持ち試験を通じて品質改善に取り組んでいる。写真はバラの日持ち試験の様子。同一品種ながら異なる産地で栽培されたものを同条件下でテストし、栽培環境による差異を確認する。最も日持ちする産地の栽培条件を他の生産者にも公開(共有)することで、輸入品にシェアを奪われつつある国内の生産者をサポートする。試験室は広く、一度にテスト出来る品種も多い為、多くの生産者が参加している。

 

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●加工・仲卸

★Hilverda De Boer/ヒルベルダ社(仲卸)

オランダの大手仲卸業者で、輸出業、加工業務も営む。他に育種など種苗開発もしており、全体の売上高は400億円に達する(切花の取扱いで120億円)。従業員は250名で、日本を含む50ヶ国に輸出実績がある。アールスメア市場と道を挟んだ場所に作業場が隣接しており、仕入れた切花は市場から直接、台車ごと冷蔵貯蔵庫に自動入荷される仕組みとなっている。

ヒルベルタ社写真 ヒルベルダ社写真

 

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●生産

★Majoland(バラ生産農家)

敷地面積20ha、圃場面積6.8ha、従業員180名(内、6名の親族で経営)、35年前きゅうりの農家から転身して事業開始。冒頭の記述通り、バラなど一般的な切花は価格の安いケニア産商品との競争で苦戦を強いられているが、こちらの農家は高品質の花(大輪で日持ちが良いもの)を安定供給することで、顧客の信頼を獲得していることが大きな強みとなっている。
苗は地面から1mの高さで栽培されており、苗床下部に設置されたパイプを伝って乾いた空気を送り込み、バラの除湿を行う。一方で、機械による過度な空冷はバラを痛める原因ともなる為、ハウスの天井を高くすることで温度を一定に保つ工夫を行っている。

Majoland写真 Majoland写真
Majoland写真 Majoland写真

 

★DEUR SLUITEN(多品種生産農家)

敷地面積8ha、圃場面積1.5ha、ユリの他リンドウやアスターを栽培。露地栽培とハウス栽培を兼用しており、スライド稼働型のハウスを活用してコストを削減しつつ運用している。またハウスの天井部分に取り付けられたカーテンは、設定された時間に自動で閉まるような構造となっており、太陽光や外気による温度変化を防ぐ役割を果たしている。他にも、夕方になるとLED照明が自動で点灯するなど、生花栽培への細部に至る配慮と自動化による効率改善の具体的手法が多く見られた。

Majoland写真 Majoland写真

 

★Cresco Boskoop(枝物生産農家)

赤い実がなる「イレクス(日本名:ウメモドキ)」の生産農家。こちらの農家オリジナル品種である黄色・オレンジの品種を拝見させていただく。価格の目安は、小売単価?1.5/本とのことだが日本ではおよそ500円〜1,500円/本の値がつくと見られる大変貴重な品種。残念ながら他社に苗を販売することも、国外に出荷することも予定していないとのこと。ちょうどクリスマス時期に需要が最盛期を迎えるとあって、作業場内では出荷待ちの枝が数多く並んでいた。

 

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●種苗

★Anthura(アンスリウム種苗会社)

●概要
1974年に設立されたアンスリウムの最大手種苗会社(世界の8割のシェアを占める)。従業員160名、栽培面積24ha。日本向けにも展開しており、日本国内の90%のアンスリウムは同社の苗から栽培したものと見られる。95年にドイツの会社を買収したことをきっかけに胡蝶蘭の育種にも取り組んでおり、今回視察したハウスでも胡蝶蘭のテスト品を確認した。現在販売している品種は500種にも及ぶ(研究中の品種は1,600種)。

 

●視察内容
アンスリウムの栽培場を視察。VanZanten同様、通路の両側に苗床が並び、苗床毎に異なる品種をテスト栽培している。写真のプレートはテスト内容の記録。4週間を一つのサイクルとして、採花出来た切花の数を記録している(縦軸は年度)。同じ品種でもハウス内の気温を変えたりと栽培条件を変更してテストするケースも有。胡蝶蘭の栽培現場も視察。近年はやはり小ぶりなものの人気が高まっており、9cm(3寸)の鉢の開発にも注力しているとのこと。また、「Full Colour」と呼ばれるアンスリウムアレンジの消費者販売アイテムを発見。色の異なるアンスリウムの切花をMIXしてネット経由で直接消費者に販売している。

Anthura写真 Anthura写真
Anthura写真 Anthura写真

 

 

★Royal VanZanten(種苗会社)

オランダの大手種苗会社で、アルストロメリア・ブバルディアの新種開発や品種改良を行い、生産者に苗や種を販売している業者。従業員は約1,000人。世界でも5番目の種苗会社で、アルストロメリアの世界シェアは7割にも及ぶ。生産者にとっては、種苗会社として生き残っているビジネスモデル的な存在の一社。 本社敷地内にあるハウス(生産ではなく品種の研究の為栽培を行う)を視察。通路の両側でテスト栽培を実施しており、約1m間隔に仕切られた苗床で数十本の株を栽培。苗床は12週間を一つのサイクルとし、年間4回栽培のテストを行う。現在、アルストロメリアだけでも25種の開発に着手している。

Royal VanZanten写真 Royal VanZanten写真

 

★Vreken Sterteelt(ブバルディア生産者)

VanZantenに併設する生産者であり、同社から土地の貸与を受ける代わりに、開発された品種を実際に栽培して市場へ販売している。種苗会社はこうして市場へマーケティングを行うことができ、双方にメリットのある仕組みとなっている。
市場へ出荷するブバルディアの加工を見学。日本とは異なり、出荷時にスリーブ封入と延命剤付与(自動機械による)を行っている。スリーブには同社のロゴマークやwebサイトリンク、切花の手入れの方法などが印刷されていた。

Vreken Sterteelt写真 Vreken Sterteelt写真
Vreken Sterteelt写真 Vreken Sterteelt写真

 

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●その他

★Jumbo(スーパーマーケット)

国内第2位のスーパーマーケット。日本の食品スーパーと同様の店舗形態で、花売場は食品レジから隔離された広いスペースで展開、従業員は1名のみ。販売商品は多くが10本以上の束売りか、複数の品種をアレンジしたブーケなど。バラ、ガーベラ、カーネーションなどが10本で?3.5〜?8、ブーケが?12と日本に比べて非常に割安。全体的にパック花は短い丈のものを10本以上まとめて販売するのが一般的と見られる。延命剤は「SPRING FROM HOLLAND」を店頭販売。日本の小売店のような大型POPはなく、売場の美観を重要視していると思われる。

Majoland写真 Majoland写真

 

★Intratuin Zuidplas(地元ガーデンセンター)

生花の他、アウトドア用品や雑貨などを販売する、ホームセンターに似た業態の店舗。売場面積は5haで、鉢物が5割、雑貨が4割、切花が1割の比率で販売されている。顧客は家族連れの一般顧客がメイン。クリスマスが近いこともあり、装飾品の販売も盛んな様子。IKEAの売場構成で生花を販売しているイメージであった。目立った特売品(傷物などの廉価品)は見当たらないが、全体的に売価は安い。チューリップ球根は100球で?9.99、バラ10本束が二つで?5.99、ミディアムブーケが?5.99など。

Majoland写真 Majoland写真

 

★シンゲル花市場

アムステルダムの通りの一区画で、花小売店が軒を連ねる有名な市場を視察。4,5年前までは地元の消費者が切花を買いに来るなどして賑わっていたそうだが、最近は近隣にスーパーマーケットが参入してきたこともあり、客足が落ち、現在では観光地化しているとのこと。小売店の販売商品は持ち帰りし易い球根(チューリップが圧倒的に多い)がメインで切花の店舗は二か所のみとなっていた。

シンゲル花市場写真 シンゲル花市場写真
シンゲル花市場写真

 

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ハンガリー

★ブダペスト中央市場

ドナウ川沿いに位置するホテルからトラム(路面電車)で3駅程の距離にある中央市場。敷地面積は5haほどとみられ、3階建ての建物となっている。地階は地元スーパーマーケット「マッチ」、1階は青果物、食肉、加工食品などの問屋、2階はレストランと物産店の構造。花の問屋は1店舗のみ。 販売品種は日本同様バラ、ガーベラ、キク、ユリなど。価格はバラ400フォリント(≒140円)、ガーベラ・キク200フォリント(≒70円)、トルコキキョウ520フォリント(≒180円)など。

ブダペスト中央市場写真 ブダペスト中央市場写真
ブダペスト中央市場写真 ブダペスト中央市場写真

 

★生花店視察

ブダペスト市内の高級生花店を2店舗視察。1店舗目は市内で最も有名な小売店「FLEUR Planete」。30km圏内にある市場から保冷車で花を調達する。店舗の花はほとんどがオランダ産だが、1割程度がケニアやエクアドルといった輸入品、若干をハンガリー国産品が占める。目の前に銀行があり、近くにオペラハウスがあるなどの立地条件から高級生花の販売量が多く、店舗もシックなイメージの内装だった。

生花店視察写真 生花店視察写真
生花店視察写真 生花店視察写真

 

2店目も市内にある高級生花店で、「FLEURT VIRAG」という店舗。デザイン性に富んだプリザーブドフラワーをショーウィンドウに入れて販売するなど、宝石店のような演出をしていた。こちらの店舗もオランダ産の花がメインで、一部ケニア産バラを販売。
2つの店舗共に、花以外の装飾品や花器・花瓶を豊富に取り揃えており、中にはコーヒー・紅茶なども販売されていた。日本の花小売店のイメージよりは雑貨店に近いイメージで、インテリアに使用される商品が揃っていて、買い物を飽きさせない形態となっていた。またオランダの量販店と異なり、ブーケや束売りは少なく、一本から購入できる単品販売が多かった。

生花店視察写真 生花店視察写真
生花店視察写真 生花店視察写真

 

★その他

その他写真 その他写真

 

 

最後に・・・ 2013年も秋にオランダ+1カ国での定期研修ツアーを開催予定にしております。 皆様是非ご参加ください。 またレポートをいただきました国際紙パルプ商事株式会社 吉田様、どうもありがとうございました。

写真 写真

 

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