JELFA Topページへ
お問い合わせ
JELFA入会申込
English

JELFA定期研修ツアー2013

 

期間:2013年11月6日(水)~11月14日(木)

 

花きの鮮度保持流通の最先端を行くオランダを中心に、ヨーロッパで主要な切り花消費国であるフランス(パリ)を視察致しました。卸売市場、運送、切り花栄養剤メーカーから、12名にご参加いただきました。

 

集合写真

【ツアー日程】
1日目
<11/6(水)>

 成田・関西ーアムステルダム 出発

2日目
<11/7(木)>

 バラ・ガーベラ・カーネ・ユリ・アルストロメリア等のオープンハウス見学
 大手仲卸、輸出業者(ヒルベルダ社)訪問

3日目
<11/8(金)>

 フローラホーランドアールスメア花市場(セリ場、テストルーム、バケツ洗浄、仲卸等)見学
 アールスメアトレードフェア2013訪問
 IFTF訪問
 スーパーマーケットの花売場視察

4日目
<11/9(土)>

 アムステルダムーフランス(パリ)へ移動
 到着後、市内のスーパーマーケット、花店でパリの花事情を調査

5日目
<11/10(日)>

 自由行動。滞在中にスーパーマーケット「カルフール」の花売場2ヶ所を全員で見学予定。

6日目
<11/11(月)>

 パリ・ランジス中央市場 花きの相対市場
 パリーアムステルダムへ移動

7日目
<11/12(火)>

 生産現場を見学。品目は参加者の希望をお聞きした上で決定。
 スーパーマーケット(ジャンボ、アルバートハイン)見学
 アンチュラ社訪問(洋蘭・アンスリウム)

8日目
<11/13(水)>

 フローラホーランドナールドバイク花市場(セリ場、テストルーム、輸入品のリパック場等)
 アムステルダムー成田・関空 出発

9日目
<11/14(木)>

 成田・関空 到着。通関手続き後、各空港にて解散。

 

このレポートは、今回このツアーにご参加いただきました(株)フラワーオークションジャパン 渡辺隆様よりいただいたレポートから抜粋しております。
例年と比べ、特に状況が目立って変化していたオランダの花市場を中心にお届けします。

 

●種苗会社、輸出業者、ブーケメーカー視察

 

★ヒルベルダ・コーイ 視察

ヒルベルダの種苗部門。カーネーションの種苗会社であったコーイ社をヒルベルダが買収。(コーイ社はもともとカーネーションの生産農家であったが、育種を進めていくうちに正解一のカーネーションの種苗会社になった。その後、カーネーションの生産が減り、ヒルベルダの資本を受け入れることになった。)ガーベラで著名な「フローリスト」もグループ内のブランドの一つ。(*ヒルベルダ・デ・ブールはヒルベルダの輸出部門。)8ヘクタールの敷地があり、そのうち6ヘクタールが施設栽培。種苗の品目別は以下の通り。

<切り花>

カーネーション50%、リモニウム20%、アルストロメリア30%

<鉢物>

カーネーション、クリスマスローズ、エキナセア等。

苗の親株はオランダ本社にあり、苗をケニア、コロンビア、中国に送り、生育させたもの(挿し穂)を再びオランダへ戻して根張りを行い、その苗を販売している。オランダでは気候が悪いため、苗の成長のために優れた環境をもつ国であり、かつ航空便の確保ができる国ということで、上記の3国が選ばれた。
ケニアの苗は、オランダ用、コロンビアの苗はアメリカ用、中国の苗はアジア用。発根した状態での輸入は難しい。土が重く輸送コストがかかる。またせっかくオランダに施設があるので利用したい。

ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真
ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真

オランダ国内のカーネーション生産は、数年前に比べ、激減したとのこと。現在の生産面積は、20~25ヘクタール(東京ドーム5.4個分)。昔は、250ヘクタール(東京ドーム54.3個分)。残ったオランダの生産者は、生産性を上げる努力をしている。1平方メートル300本程採る。ケニアは180本程度で、品質の波が激しい。また、オランダ産のカーネーションは品質が安定している。作付品種は市場性のある品種に限定して栽培している。オランダの品種は、ケニアの品種とバッティングしないようにしている。オランダのカーネーション農家は、平均1ヘクタールほどで、大きくても2ヘクタール。手がかかるので、この大きさが限界。
ヒルベルダ・コーイ社としては、カーネーションのイメージを変える品種を作って、苗の値段を上げていきたいと考えている。カーネーションの品種数は、180品種。うち、25品種は落ちていく。2年ほど前からグリーントリック(テマリソウの大きいもの)を仕掛けた。現在9ヘクタールほどまで作付面積が増えた。
アルストロメリアはオランダ、イタリアとのジョイントベンチャーで品種改良を行っている。アルストロメリアは補光と土の冷却が必要で、土の温度は16℃が理想。日本での販売代理店は、カーネーションとリモニウムがミヨシ。アルストロメリアがタキイ。

 

★Melle Jong Kind 視察

Melle Jong Kind視察写真 Melle Jong Kind視察写真

オランダ国内のブーケメーカー。1日平均40名の正社員スタッフが働いており、フレキシブルな雇用体制。フルタイムとは限らず、暇なときは、次の日は休みにできる。契約社員だと品質の差ができてしまうが、正社員のため社員のモチベーションも高く、品質の差も見られない。従業員の国籍は、オランダ、ポーランドが中心でベテランが多い。
ダッチフラワーグループの敷地内で作業を行っているが、ダッチフラワーグループではなく、下請け的な存在。1本当たりの加工賃で計算。例えば、10本ブーケならば1本5セントの加工賃とし、50セントが利益となる。加工賃はネットで公開も行われている。

Melle Jong Kind視察写真 Melle Jong Kind視察写真
Melle Jong Kind視察写真 Melle Jong Kind視察写真

トラック便の分は、バケツに入れた状態で発送。航空便用は箱詰め。特許取得済みの段ボールで横にしても水が漏れない容器など独自の容器も持っている。

Melle Jong Kind視察写真 Melle Jong Kind視察写真

 

★フォーシーズンズクオリティ

フォーシーズンズクオリティ視察写真 フォーシーズンズクオリティ視察写真

バラの輸入会社。輸入先は80%がエクアドル、15%がケニア、5%がコロンビア。販売先は、90%が相対(納品先は決まっている)、10%はセリ販売。バラを選別し、「フォーシーズンズクオリティ」というブランド名で販売。スリーブに印字。バラの保管温度は、昼6℃、夜2℃で行い、ボトリチスが出ないようにしている。

フォーシーズンズクオリティ視察写真

生産農家へは、冬と夏に集荷営業に赴いている。依頼分以外に余分に買ったりもする。90%の相対のうち、70%は予約販売分。残り30%は電話営業等で販売する。セリ分は、手数料が余分にかかるため、極力しないようにしている。フローラホランドの会員ではなく、ゲストメンバーだが、バケツの使用料は払っている。

 

上に戻る▲

 

●スーパー視察

★アルバートハイン

オランダ最大のスーパー。日持ち保証販売をしている店舗とそうでない店舗がある。今回視察した店舗では、バラ10本で4ユーロ。ヨーロッパでは1ユーロ=100円くらいの感覚なので、1本40円くらい。見切り品は、10本2ユーロ。別の場所の店舗では、ガーベラ5本、アジサイ1本、レモンリーフ、レザーファンが入って15ユーロだった(約1500円)。日本なら3000~4000円は最低かかると思われるボリューム。

アルバートハイン視察写真 アルバートハイン視察写真

 

★シーセン

フランチャイズ店。視察した添付は品質の悪い商品であった。

 

★デイーン

オランダで最初に日持ち保証販売を行ったスーパー。現在はしていないとのこと。

デイーン視察写真 デイーン視察写真
デイーン視察写真 デイーン視察写真

 

上に戻る▲

 

●市場視察

 

★フローラホランド アルスメーア市場視察

フローラホランドには5つの市場がある。
1.アルスメーア 
2.ラインズブルグ(フローラ) 
3.ナールドワイク 
4.ブライスワイグ 
5.フェンロー

このうちフェンローはすでに時計セリをやめており、ロジスティック部門のみ。ブライスワイグも時計セリをナールドワイクへ移行し、ロジスティック部門のみ残ることになっている。
フローラホランドの会員は、100%フローラホランドに出荷しなければならない。フローラホランド全体で40億ユーロの売上。だが、今年は時計セリの扱いが減少したことにより、利益がほぼ出ない予想となっている。日本とオランダとでは手数料の取り方が違うため、時計セリが減少すると利益が出ない。日本ではセリでも相対でも台車を何台使用しても市場手数料は、9.5~10%。だからセリが減ったとしても商品が市場を通れば手数料率は変わらない。しかし、オランダでは何かをするとそのたびに手数料が発生する。たとえば、時計セリで販売すると、手数料が発生し、セリを行うために台車を使用すると別の手数料が発生する。また、セリで購入したものを分荷してもらうと手数料が発生する等。そのために、セリの割合が減少し、直接取引が増え、手数料収入が減少した。伝票だけ通した際の最低手数料は1.6%。

 

フローラホランドの品目別売上順位は以下の通り。
1.バラ
2.SP菊
3.チューリップ
4.ユリ
5.ガーベラ

 

売上国の順位は以下の通り。
1.ドイツ
2.フランス
3.イギリス

 

2011年の生産者数は、7800件、買参人2500件、社員3000人。2010年ではセリ売上が25億円、相対が16億円であった。現在の売上金額は不明だが(フローラホランドが数字を出さなくなったため)、セリ40%、相対60%の割合のようである。

 

★アルスメーア市場のセリ見学

季節物の草花は、毎年品質が変わるという理由から、セリ場内に品物を流すが、バラなどの品質が安定している商品は、画像だけのセリになっており、場内に商品は流れていなかった。もっとも印象的であったのは、場内でセリに参加している人数の少なさであった。相当数の買参人が遠隔セリに移行していることがう伺われた。

アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真
アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真

大画面に画像だけ表示され、現物が流れていないセリ場。参加買参人が非常に少ない。

 

これからの市場は、
1.ロジスティック
2.経理
3.営業提案
の3つで収益を上げる方向に転換していくのではないかとの意見が出た。

★試験室見学

アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真
アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真

生産者、バイヤー、薬剤会社、種苗会社が花を持ち込んで試験を行う。
配送過程(8℃で4日間)や店舗におかれている過程(20℃で2日間)などの家庭を経て試験。切り花は週3回確認、鉢物は週1回確認。オランダ市場協会が設定したリストに基づいてテストをしている。このリストは、オランダの農業大学や試験場でも使われている。
結果をコンピューターに入力し依頼者がすぐに試験結果をチェックできるようになっている。この試験室の結果をもとに「フローラホランドクオリテイ」という基準を作っている。
新しいサービスとして、花がどうやって咲いていくかの過程を画像で見せるサービスを開始した。1時間ごとに花の画像を撮影していく。(自動撮影)

アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真

バーコードをスキャンすると買った花がどのようにして咲いていくかをこの撮影した画像でチェックできる。例えばつぼみの段階で流通しているユリの開花姿が確認できる。この試験のための費用は生産者が拠出している。生産者とバイヤーが了承すれば日持ち試験の結果をネットで知ることができる。どの生産者のどの品種がどの程度日持ちしたかをバイヤーが確認できる。現在80生産者程が参加している。ただ基本的には情報は秘匿されている。

★ロジスティックについて

ロジスティックの社員がいつ、どれくらいの正確さで荷物を運んだかを入力する機械がある。それが能力給として給料に反映されている。ロジスティック部門は契約社員がほとんど。台車の並べ方に特徴的なところがあった。斜めに数台ずつ空台車を並べていた。こうすることでまっすぐ並べるよりも一台ずつ台車を引き出すことができる。

アールスメア市場視察写真 アールスメア市場視察写真

★ナールドバイク花市場視察

ナールドバイク市場視察写真 ナールドバイク市場視察写真

セリ場見学。ここでも買参人は非常に少ない。

セリ開始前に品質管理官が生産者の自己評価が正しいかチェックしていた。品質管理官は独立した権限を持っており、品質管理官が行った評価が市場のセリ場に表示される。ここでバクテリアの発生などについてもチェックしている。カーネーションなどではSTSが入っているかもチェックされる。

ナールドバイク市場視察写真 ナールドバイク市場視察写真

★相対ルーム見学

ここでいう相対とは現物を見て商品を注文する予約相対のこと。商品にバーコードが付いており、そのバーコードを使って商品を注文できる。生産者が相対ルームに展示することができる場所は年間で決まっていた。また商品によって相対ルームの温度を変えている。

●フローラホランド市場の変化 まとめ
  (JELFA常務理事 米田裕史)

★セリ場

目立ったのは、セリ場の減少。最大7箇所あったセリ場は今年は2ヶ所、それも切り花が流れなくてただデジタル画像を眺めるだけ、という状況に変わっていた。セリ場の活気を知る人間にとっては、寂しい限りであった。またセリ場に座る買参人も全体の20%で、いよいよ市場からセリ場がなくなるのでは、と心配になった。今年はセリと相対の売上がフローラホランド市場では50:50で、今後急激にセリが減少すると予測される。

 

★ロジスティック

セリ場に切り花が流れないと分荷作業も激減し、ロジスティック関係の従業員は昨年400人、今年400人と、合わせて800人の雇用を減らしたとのこと。来年は会社員4000人の内、正社員を50%の200人解雇の予定である、とのことであった。

 

★販売形態

セリ取引を止め、仲卸や量販店との直接取引が増え、市場経由はお金だけ。そのため2%弱の手数料のみで市場の経営も変革の時が来ているようだ。

 

その他、オランダでの視察の様子です。

 

★ロイヤルファンザンテン社

ロイヤルファンザンテン社視察写真 ロイヤルファンザンテン社視察写真
ロイヤルファンザンテン社視察写真 ロイヤルファンザンテン社視察写真

★ヒルベルダ・デ・ブール社

ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真
ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真
ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真
ヒルベルダ視察写真 ヒルベルダ視察写真

★4シーズンズ社

4シーズンズ社 4シーズンズ社視察写真
4シーズンズ社視察写真 4シーズンズ社視察写真

 

●展示会

★フローラホランドトレードショー展示会

フローラホランドトレードショー写真 フローラホランドトレードショー写真
フローラホランドトレードショー写真 フローラホランドトレードショー写真
フローラホランドトレードショー写真 フローラホランドトレードショー写真

★IFTF

IFTF写真 IFTF写真
IFTF写真 IFTF写真

●フランス

★ランジス花市場見学

仲卸を見学。

ランジス花市場見学写真 ランジス花市場見学写真
ランジス花市場見学写真 Iランジス花市場見学写真

アマリリス190円、ラナンキュラス120円、バラ145~45円、品質が悪いトルコ60~90円、ヒペリカム45円、ブバルディア60円、SP菊54円、カスミ105円といった価格。ランジス花市場はパリ市が開設者で、市場は賃料を払って営業している。仲卸には所謂「仲卸」と「生産者が直接持ち込んで販売する所」がある。今回見たのは「仲卸」。フローラホランドから仕入れた花などを販売していた。その後、園芸の卸を見学。こちらはフローラホランドを通した鉢と通さない観葉植物があった。切花の仲卸に比べ規模が大きかった。

ランジス花市場見学写真 ランジス花市場見学写真

★カルフール視察

フランスの大手スーパー。カルフールでは数年前まではスーパー内に花を置くスペースがあったが、花は無人販売に向かないという判断から有人販売店舗として、スーパーと隣に花店スペースを設けたとのこと。日持ち保証販売を行っていた。

カルフール見学写真 カルフール見学写真
カルフール見学写真 カルフール見学写真

カルフールでは、花瓶を洗うタブレットとクリザールがセットになって花束についており、花はオランダに比べ割高であった。カルフールで30ユーロで売られていた花束は、オランダで見た15ユーロくらいの花束の印象であった。

 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 

上に戻る▲