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国内外調査

ロシア花き流通調査  

 

1.日程:2011年6月5日(日)~13日(月)

 

2.視察地:モスクワ、サンクトペテルブルグ

 

3.目的  
 ①ロシアの花き流通全体についての調査と
 コールドチェーン
 ②商流調査

 ③国内産地について

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4.調査メンバー
 JELFA副会長 柏村哲徳 [日本植物運輸株式会社 代表取締役社長]
 JELFA理事  青山松夫 [兼弥産業株式会社 代表取締役社長]
 JELFA理事  米田裕史 [株式会社コルヌコピア 代表取締役社長]
 JELFA理事  佐無田仁 [株式会社フラワーオークションジャパン 常務取締役]
 通訳 テイオ・ストルート [KMS Japan 代表取締役]

 

ロシアの概要
人口: 1.4億人
面積: 日本の45倍

気温: 夏30℃~、冬は-35℃ (夏冬の気温差は65℃)

 

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ロシアの花流通
流通量の90~95%はオランダからの輸入品である。主に輸入会社イコール卸売会社3社(7Flowers、EURO FLORE、STARLIGHT)でほぼ独占している。中企業は10社程で、他に小さな業者が多い。中小企業の場合は輸入にオランダからの共同運航便を使っている場合が多い。輸入から消費までコールドチェーンを徹底し、流通品質に努めている(オランダからロシア国内の売場までバケツ輸送+5℃輸送)。
ロシアの花のマーケットは確実に大きくなっており、過去10年間、年率10~15%の伸びを示している。特に小売業が伸びている。モスクワ以外の地域では更にマーケットが大きくなる可能性があるが、実際には流通統計がなく、年間の需要推移も掴めていない状態。 
花の小売業については、切花は国内卸からの購入だが、卸会社が加工機能を持たなければ将来的には大型店舗はオランダから買う可能性も考えられる。鉢物は大型店舗の場合は直接オランダから購入しており、小型店は国内卸から購入している。 

 

切花のマーケット推測
・輸入額  約122億円
・国産額   約12億円

 

花の国内生産
切花の国内生産は始まったばかり。モスクワ、サンクトペテルブルグ近郊で春から秋にかけ、路地栽培の切花を生産、卸売会社が買い付けているが少量。国の補助もあり生産は増加傾向にある。種苗、球根などすべてオランダ頼りの経営で、品目は、ロシアでの流通量の最も多い品目のバラと、球根類の施設栽培である。品質、採算性等継続可能かどうかの判断は始まったばかりで、2~3年で結果が出るようだ。

 

主な花の需要
1位 国際女性デー(3月8日)…男性が女性にプレゼントを贈り、感謝と愛情を示す日
2位 入学式(9月1日))
3位 教師の日(10月7日)
4位 卒業式(5月~6月)
その他 バレンタインデー、誕生日、クリスマス、結婚式など

お墓には造花が多い。夏は酷暑のため需要は少ない。ホームユースの需要は少なく、ほとんどがギフト需要。 切花は男性から女性に花を贈る習慣がかなり定着している。自宅用としては鉢物が人気(長く楽しめるため)。今後も鉢物は需要が伸びると予想されている。

 

ロシアの花の消費者について
・富裕層だけでなく、広く消費されている。
・結婚式に招待された人は必ず全員花を持って行く習慣がある。
・人へのプレゼントは「花(メイン)+他の物」となる。
・葬儀需要はバラとカーネーションが中心
・最近では春のチューリップの需要が高まっており、バラに次いだ取扱量となっている。カーネーションは年々人気が下降気味。 過去10%あった需要が1%にまで減っている。

 

7 FLOWERS (モスクワ本社)

<会社概要>

モスクワ西部に位置し、設立11年。 社員数250名。 社名の「7」は「虹色」の意味。
現在、社員の品質管理・マーケティング指導・教育に力を入れている。 年20%の成長率。 サンクトペテルブルグに支店を開いたが、近々シベリアにも支店を開く予定。 関連会社で資材会社も持っているが、ブーケメーカーは持っていない。 顧客は最低2万円以上の仕入れが条件。 切花のスーパーマーケットへの販売は最近始まったばかり。

 

<販売>

一般消費者から花屋、地方卸売業者、最近は鉢物を中心に大型スーパーマーケットへの販売も行っている。ホームセンター(OBI等)へも販売している。

 

<仕入>

フローラホランド花市場から、オークションで駐在員が直接仕入れる。セリ購入し、ロシアまでの輸送期間(2,500km, 2~3日)の間に販売している。

コロンビアからはバラ、カーネーション、アルストロメリアを輸入。 ニュージーランド、タイの蘭類はコールドチェーンの必要がないため、オランダを通さず直接購入。 今後ケニアからも直接購入の可能性がある。

 

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EUROFLORE

<会社概要>

14年前に開業。6年前に新社屋を完成させる。会社は年15%の成長率。2年前の不景気で閉業を余儀なくされた会社も多く大変な時期もあったが、現在では業績も安定させている状況である。

 

<販売>

卸部とは別に消費者への直接販売も行う。200ユーロ以上の購入で、消費者も卸価格で買える(それ以下は25%アップとなる)。それでは「花屋が嫌がらないか」という懸念に対し、「各花屋の位置は離れており広範囲に及んでいるので、現在価格競争がない」とのことで、それぞれの花屋とも経営は安定しており、問題はないようであった。ロシア内の配送は約1,000キロメートルまでを範囲としている。スーパーへの納品は行っていない。

 

<仕入>

オランダの輸出会社から仕入れている。

 

<輸送>

オランダから2,500km。卸の顧客ごとに台車に分けられて輸送されている。運賃はトラック1台4,500ルーブルで、1回の輸送は台車22台。トラックは週4便で、他の小さな卸会社との共同運航便を使用している。

 

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7 FLOWERS (サンクトペテルブルグ支社)

<会社概要>

2008年設立、サンクトペテルブルグでは最大の卸業者である。現在年40%の成長を続けている。

 

<販売>

サンクトペテルブルグを中心とした北西ロシアへ販売している。サンクトベテルブルグでのマーケットはさほど大きく成長はしていないが、シェアを獲得している。スーパーへは鉢物を中心に販売。切花に関しては花束を作って納品している。

 

<仕入>

仕入れの10%が国産、特にバラを仕入れている。地元の花もオランダと同様の価格で販売されている。オランダからの花は本社と同様にフローラホランド花市場からインターネットオークションで購入している。オランダからの輸送は3日間で、モスクワ行きとは別便で仕入れている。

 

<配送>

年間の需要に波があるため、自社では運送部門を持たず他者の配送業者を使っている。

 

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STARLIGHT

<会社概要>

設立15年以上の会社。切花の取扱いではロシアで一番大きい。

 

<仕入>

オランダの輸出会社から全面的に仕入れている。南アメリカ、アフリカ産のものも全てオランダ経由で仕入れ。鉢物も切花も同じ所から買っている。トラック単位で、切花週7便、鉢物週2便で仕入れている。

 

<販売>

注文販売がほとんどで、花屋への配達も行っている。一般消費者も別価格で買える仕組みにしているが、ほとんどは花屋への卸業務。注文も在庫販売もインターネットで販売している。

 

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FOUR SEASONS

<会社概要>

サンクトペテルブルグで卸と小売りを展開している。

 

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番外編

<ロシアのスーパー、花店、街並み>

ロシアでの切花の販売は、主に街の花屋さんである。地下鉄の駅周辺やメインストリートでは、チェーン展開しているフローリストが多数見かけられた。スーパーマーケット・ホームセンター等では鉢物の売場が少々あったが、切花の売場はなく、物日前のみ切花の売場ができるようだ。

 

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調査メンバーコメント

「ロシアはまるでオランダだった」 柏村 哲徳

視察したロシアの卸、小売店の店頭で見られる花や鉢物の90%以上が、オランダから空調完備のトラックで3日間かけて輸送されてくるものばかりで、まるでオランダの業者を視察しているのかと錯覚するほどだった。


かつては、世界中の花が、いろいろなルートや手段でロシアへ輸入されたが、結局は、きちんとした品質管理の下でオランダの業者から届けられる商品が信頼できるということを、どの業者も指摘された。
日本でも花育や、フラワーバレンタインなど、花の消費拡大へ向けて、さまざまな取り組みが行われているが、こうした活動で消費者が花に興味を持ち、実際に花を買ってもらっても、その花がすぐに萎れたり、枯れたりしては継続した消費には結びつかない。

 

流通インフラとしてのコールドチェーンを整備し、業界全体で「流通品質の向上」を実現して日持ちする花を流通させることが、花の消費拡大を推進していくには不可欠であることを、ロシアで圧倒的なシェアを勝ち得たオランダからの花を見て改めて痛感した

 

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