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JAみなべいなみの視察レポート ~取り組みのご紹介~

2012年2月23日(木)

2012年はJELFAが発足して10年という節目の年になります。発足当初からELF バケット出荷に積極的に取り組まれているJAみなべいなみを訪問し、出荷の様子や ELF バケットに纏わるお話を、花き部会部会長の木村良材さん、いなみセンター長の平貴志さんに伺ってきました。

 

〈ELF バケット出荷について〉

・当時のJA和歌山いなみが2001年からバケット出荷を検討。背景には市場が日持ちの良いかすみ草を求め始めたことや、かすみ草の産地を守りたいと願う生産者の思いがあった。また花の品質を考える上で「前処理の徹底」が必要となり始めたことがある。採花手順・前処理方法などを見直し、マニュアル化する。またELFバケットの導入へ向けた取り組みがスタート。

 

・2002年、バケット出荷研究会を立ち上げる。現在の兵庫県生花株式会社と試験出荷や販売を開始。同時にELFバケットシステムに関する研究を続ける。

 

・同年11月JELFAに入会(「JA和歌山いなみ」として)。ELF バケットでの本格出荷をスタート。

 

・2003年、「第3回全国カスミソウサミット」の開催地になり、「バケット出荷研究会」から「花のための生産流通システム研究会」に組織体を変更し、さらに検討を進める。ELFバケット出荷を進めると同時に、その後は環境にも人にもやさしい取り組みに力を入れています。

 

〈JAみなべいなみ花き部会の現在〉

・花き部会員数 112名(2012年2月現在)。そのうち54名がELF バケットを使用。

 

花き部門の売上は年間約8億円。内約5億円がスターチス。JAみなべいなみの販売物全てで年間約52億円の売上。

 

ELFバケットでの出荷品目はスターチス、かすみ草、カーネーション、その他草花(金魚草、ダリア、ラークスパー、ブルーレース、スカビオサ、デルフィニウム、ストック、チョコレートコスモス、セネシオ、ヒマワリ)、千両などである。

 

平均年齢は切花全体で57歳。若い就農者が増えており、洋花を中心とした生産者の平均年齢は40代である。

 

出荷期間は毎年10月頃~翌年6月頃まで。

 

〈ELFバケットを使用するメリット〉

・当然のことながら鮮度が良くなり、品質が上がる。また花首が曲がらないなど荷傷みの防止になる。

・省力化できる(箱詰め作業がなくなる)。また生産者がそれぞれの作業場での効率化を考えるようになった。

 

・ゴミを出さないため、環境に配慮した出荷ができる。

 

・花が見えることで「良い花を出荷せねば」という生産者の意識が高まる。またそれが一つの目標となりモチベーションが上がる。

 

・花によって開花調整ができる。

 

・お客様での作業が軽減できる。

 

・台車を使用することで、ダンボール出荷に比べ花に対する衝撃が少なく、荷痛みが少ない。

 

〈ELF バケットを使用するデメリット〉

・経費がかかる(段ボールに比べ出荷単位が少ない)。

 

・運送に空間スペースを取る(経費がかかる要因の一つでもある)。

 

・運送者が限定される(ELF専用の冷房車が必要)。

 

・時期により水の吸収量が変化するため、水分調整が必要となる。*

 

・花の種類により高温多湿時には水蒸れを起こすことがある。*

(*印については業界内でのコールドチェーン化の徹底が必要)

 

JAみなべいなみ花き部会の方針の中でも特徴的なことは、このELF バケットシステムを生産者に「強制しない」ということが挙げられる。平さん曰く“ELFバケットシステムを導入するかどうかは「バスに乗る」ことと似ている。乗りたい人が乗り、途中で降りたければそれは自由に降りても良い。ただし、バスは1つの目的地に向かって走り続けているのです。同じ方向性を持ったものが、共同体となりこの取り組みを続けているのです”。

 

〈ELFバケット出荷 ~スターチス編~〉

生産者にはそれぞれの選花場に合わせた出荷までの段取りがあると思いますが、1つの例として、部会長木村さんが普段行っている、ELFバケットによるスターチスの出荷を取材しました。

 

採花。1本1本丁寧に採花します。

スターチス出荷の様子の写真

まずスリーブをバケットの下からセットします。

一定数スリーブをセットした後、空のバケットに鮮度保持剤を入れます。

スターチス出荷の様子の写真 スターチス出荷の様子の写真

水道水をホースで入れます。 水量はバケツの中についている線まで入れていきます。

スターチス出荷の様子の写真 スターチス出荷の様子の写真

結束します。

スターチス出荷の様子の写真 スターチス出荷の様子の写真

等級などの情報を書き入れます。

スターチス出荷の様子の写真  

ハーフ台車に乗せ、完成です。

スターチス出荷の様子の写真 スターチス出荷の様子の写真

このハーフ台車はレンタルで兼弥産業株式会社から借りており、スペースの問題を解消、移動も楽で花傷みを防ぎ、何よりも選花場での作業効率をアップさせています。限られた場所でどのように効率化させるか、ということを個々が考えるきっかけともなっており、生産者には好評です。御興味のある方は兼弥産業株式会社 ELFバケット事業部(Tel : 0569-65-1256, 担当:青山兼人)までお問い合わせください。

 

〈花センターにて〉

取材をさせていただいた時間帯には生産者からかすみ草が集荷され、次々と入荷のチェックを受けていました。これらはこの後、開花調整室に入ります。

花センターの写真 花センターの写真

荷受け後、開花調整室では24時間開花処理をします。花の状態や出荷先に合わせ、温度・湿度・照度の細かい調整をかけます。エンドユーザーの使用用途に合わせることもあります。

花センターの写真 花センターの写真

 

JAみなべいなみの目指す「花・人・環境にやさしい取り組み」は、それぞれの生産者に浸透しており、個々の意識が高く非常に前向きで実践が伴っています。昨年は台風による被害も甚大でしたが、これからも活動的な共同体として ELFバケットによる出荷を続けて欲しいと思います。取材にご協力いただき、ありがとうございました。

 

 

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