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国内外調査

カナダ花き流通調査ツアー 


1.日程:2012年5月30日(水)~6月8日(金)
 
2.視察地:カナダ(バンクーバー、トロント)
 

3.目的  
カナダの花き産業物流・商流・消費を調査する
①カナダのセリ市場の商流調査(どのような取引形態で行なっているか)
②カナダの卸売会社の概要
③カナダのフローリストの概要
④カナダの量販店での概要

 

4.調査メンバー
JELFA副会長  柏村哲徳(日本植物運輸株式会社 代表取締役)
JELFA常務理事 米田裕史(株式会社コルヌコピア 代表取締役)
JELFA常務理事 青山松夫(兼弥産業株式会社 代表取締役)
JELFA常務理事 佐無田仁(株式会社フラワーオークションジャパン常務取締役)
通訳 青山一太(兼弥産業株式会社)

 

5.報告
今回の調査は、カナダ西部地方のバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)と中東部地方のトロント(オンタリオ州)、それぞれに一つずつある花き市場を中心としたもので、生産、市場、卸売、小売と、流通全体に渡っての業者を訪問し、現場での聞き取りなどを行なった。なお、カナダにはもうひとつモントリオールにごく小規模な市場があるそうだが、売上は1000万円にも満たないらしいので、実質カナダの花き市場はこの二市場といえる。  カナダの花き産業はオランダからの移民によって成り立ち、事実、生産から市場まではオランダ系カナダ人が担い、販売は移民した中国・韓国を始めとしたアジア系が担っている

 

バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)の花き流通
バンクーバーはカナダのみならず、北米全体でも人口当たりで最も花の小売店が多い地域で、富裕層の移民が多く、生活水準も高いため、道を歩いていても、頻繁に花を売る店を見かける。

高級なギフト用専門店から、ガーデンセンター、スーパーなどの量販店、店頭の一部を花売り場にする雑貨店など、その小売形態バンクーバーの小売店も多岐に渡る。また、街中では至るところで美しい植栽がなされ、膨大な量の寄せ植えハンギングなども街全体を彩っている 。

 
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バンクーバーはカナダの中でも比較的温暖な地域で、一年を通じて外で花が売れることも、他のカナダの地域に比べて花の消費を大きくしている要因となっている。 流通している商品は、競売を行う「ユナイテッド花き生産者協同組合(以下UFGせり市場)」を組織する約150軒(内80%はオランダ人)の近郊中規模生産者の商品を中心とし、地元で生産が少ない切花などはマイアミからトラックで冷蔵輸送される南米産などの商品で需要をまかなっている。

生産者が協同組合としての花き市場を運営しているのはオランダと同じで、これは元々この国の花の生産が、オランダからの移民によって始められたことから、アルスメールなどのオランダの市場流通をその範としたものと考えられる。

外国人でも2000万円を3年間政府に預けて何らかのビジネスをすると、カナダ政府から移民権が与えられるということから、手っ取り早いビジネスとして花屋を始めるアジアからの移民が多く、バンクーバー地域の150件の花屋のうち100件がこうしたアジア(特に中国)からの移民による店となっている。

卸会社や小売店は、地元の商品(ローカル品)を積極的に取り扱いたいという意向が強く、結果としてこのUFGせり市場経由商品の割合を高くしている。後述するトロントの市場と比べるとこの地域の生産者は規模が小さいこともあり、自らの販路開拓の力を持たない生産者にとって出荷販売組織としてのUFGせり市場への依存度が高く、花き市場流通を基本とするオランダや日本の花き流通形態に近い。

 

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バンクーバーの小売店

 

トロント(オンタリオ州)の花き流通
トロントにも競売を行う花き市場「オンタリオ花き生産者共同組合(以下OFGせり市場)」があり、バンクーバーと同様、生産者が組合員の協同組合となっている。

この地域も、生産はオランダからの移民、卸売りや小売はアジアからの移民、の構図になっているが、バンクーバーと大きく違うのは生産者の規模が広大で、花き市場への依存度は決して高くない点である。 近郊には135軒の切花園芸の生産者があり、その近郊に点在するいくつかの生産者(企業)は、OFGせり市場への出荷、特に競売への委託出荷はまったくしない。そして、多品目に渡る自社製品の他に、要望があれば品揃えのために他の生産者からも仕入れをし、自社製品に加え加工部門も持っている営業部門が、カナダはもちろんアメリカなどへ販売する仕組みを持ち、納品する物流を完備している。この点で、この地域の花き流通は、花き市場がないアメリカ型といえるだろう。

OFGせり市場はこうした大規模な生産を兼業とする卸会社が競合関係になるため、これに対抗すべく、これまでの競売委託販売中心の営業から、花束加工や分荷業務などの物流的付加価値サービスを取り込んだ総合卸売業務への展開を目指している。

 

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トロントの大規模生産者圃場

 

以上、カナダ西部地区と中東部地区の花き流通について、それぞれの違いを中心に概要を記したが、人口の約24%はカナダの国外で生まれた移民一世と言われるカナダにあって、生産は「オランダ人」、販売は中国などの「アジア人」がその中心で、その花を身近にした豊かな生活を送る消費者は「カナダ人」、という人種的な流通構造は、移民大国カナダの花き流通を理解する上で、最も特徴的なことだと思う。

また、切り花の生産がほとんど南米に移り、国内での生産は壊滅的な状況にあるといわれているアメリカに比べて、カナダ(特にオンタリオ州)ではまだ大量に切り花が生産されており、豊富な品揃えを武器に、地元のみならずアメリカまでへも積極的に販売攻勢をかけていることも、実際に現場で話を聞いて初めて知ることができた。

これは、花き生産活動に必要な暖房エネルギーを、いかにもカナダらしい豊富な森林資源による木屑をその燃料とし、一部不足するときには天然ガスを利用するという燃料事情が、カナダにおける花き生産を存続させている要因の一つと考えられる。

大手の生産者は自社で運送も行い、週2回、米国向けの配送を行なっている。 全量バケット輸送であり、15%はワンウェイ、85%はリターナブルで帰り便を利用している。 販売先の80%が米国で、20%がカナダ国内で、量販店をはじめとして25250売先を確保している。

そして、その販売を優位にさせるために、カナダの花き生産・流通業者も花きの品質保持のためのコールド・チェーンを徹底させていることは、昨年ロシアの花き流通調査を実施してわかった、ロシアの花がほとんどオランダからの輸入花きである理由と通じるものがあった。
世界各国の花き流通状況を調 査し、その実態が明らかになる。

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いずれの卸会社も徹底した保冷施設を完備している

 

バンクーバー

United Flower Growers(ユナイテッド花き生産者協同組合)

ユナイテッド花き生産者協同組合は、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの隣・バーナビー市にあり、北アメリカ最大で、最も古い花市場。 月曜、火曜、木曜の朝6:00からセリが始まり、約100人の生産者・団体が550のバイヤーに3時間で販売をする。 4機のセリ時計が1時間に4,000件を処理し、年間を通じて80,000以上のワゴンがギャラリー内を行き交います。 4.2ヘクタールの敷地には26の荷受積み下ろし場所があり、16,000㎡の建物に繋がっています。  荷受後花は全て目視でチェックされ、販売情報がスキャンされ、コンピューターシステムに入ります。 この情報は後に520席があるセリ場での画面で、お客様が確認でき、またオンラインセリで購入するお客様も確認できる情報となります。  ユナイテッド花生産者協同組合の生産者は、多くがブリティッシュコロンビア州の南西部に位置する、肥よくなフレーザーヴァレーで生産をしています。

 

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West Van Florist Home & Garden

1933年創業の老舗の花屋。 北西バンクーバーの高級住宅地にあり、汎用から高級品まで扱う。

 

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Maple Leaf Garden Centres

バンクーバーには2店舗あり、40年の歴史を持つガーデンセンター

 

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Hanamo Florist

日系の花屋さん。 主に業務用をターゲットにしている。

 

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Kirby Floral Inc

花の卸として1979年創業。高品質の花とグリーンを世界中から、また近隣から揃えています。社内のバイヤーがユニークなネットワークを持っており、オーストラリア、チリ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、オランダ、イスラエル、イタリア、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカから仕入れています。花屋やデザイン関連者に花を販売しています。また教育のため、セミナーなども行っています。2010年2月にSignature Floral Supply と合併しています。

 

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Burnaby Lake Greenhouses Ltd.

ダウンタウンから南東に位置するサーレー市に本社があり、生産拠点はサーレー市、ラングレーにあります。 生産卸業で、シッパーでもあります。1955年、小規模な家族経営から始まり、現在ではカナダ西部、アメリカ北西部に出荷しています。生産面積はハウスで約200万スクエアフィートあり。

 

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Garlands Florist

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スーパー Wholefoods Market,Safeway

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Grandville Island

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トロント

Supermarket Loblaws

オンタリオ州、ケベック州をメインに70店舗をもつチェーン店で、本社はBramptonにある。Loblaws は カナダで最も大きな食品販売業者である Loblaw Companies Limited の一部門である。 カナダ西部にスーパーヴァリュー、リアルカナディアンスーパーストアーができる1960年代初めまでカナダ全土にあり、ニューヨークやペンシルヴァニアなどにも進出したことがあったが、これらのアメリカの店舗は1970年にベルマーケットに買収された。
2008年に店舗はリノベーションされ始め、Loblaw Great Food(正式名称)として現在のロゴになり、今に至っている。Maple Leaf Gardens の店舗は2011年11月30日にオープンし、シンプルに Loblawsとしてプロモーションされた。 Maple Leaf Gardens には、建物の中に Loblaws とRyerson University アスレチックスセンターが入っている。 

 

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Pink Twig Floral Boutique

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Ontario Flower Growers Co-operative

1972年に GM のJouke Sypkes 氏が、トロントにほど近いMississaugaにオンタリオ花生産者協同組合を立ち上げた。75の会員生産者と、40の非会員生産者が花を提供している。 せりで販売される70%が切花で、30%が鉢花。輸入切花のシェアは23%、残り77%がオンタリオ州で生産された花である。セリ場にある308席のうち80%は予約席で、席を年間契約している。 バイヤーは販売の27%が卸、41%が小売の花屋(フルサービス)、26%がフルサービスでない花販売業者、5%がガーデンセンターで、せりでの粗利は25億円(年)。合計販売ロットは85万ロットで、単純計算で1ロット約$29.50となる。この販売高が過去3年間は1-2%ずつ落ちている。これはせりでの主要バイヤーである小売業に、値引きなどをした結果である。地域の花の需要も過去数年間は落ち気味である。しかしながらセリ以外でのビジネスがこのロスを穴埋めする形で、毎年3%の成長を遂げています。新しいウェブサイトにより、生産者が近く出荷できる花を載せることができ、バイヤーが購入の幅を広げることで、良い結果が生まれている状況。地域の花をブランド化し、消費者に伝えることも大切と考えている。 花屋にて消費者が輸入花と地域の花の違いが分かるようにするために、ブランド化をして差別化している。

月曜から金曜まで毎日せりがあり、水曜日だけは10時から開始であるが、それ以外は毎日6時から開始となる75%はせり販売、残り25%が予約販売である。 数年前にお客様から、早い時間の開始のみではお客は集まらなくなるぞというクレームがあり、それに応える形に変えました。火曜と木曜の2回で一週間分の2/3の量を取り扱っている。市場は 15,000㎡、そのうち1,700㎡は冷蔵スペースで、4,200㎡はドライブスルーのガレージと屋内荷積の施設となっている。

 

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Sierra Flower Ontario

本社はケベック州サンローレンにある。25年に渡り、卸売業として花屋に花を供給してきた。販売の内訳は卸売が85-90%、市場出しが10-15%である。オンタリオ花生産者協同組合で日々販売されている輸入花は、全てSierra Flower Trading から供給されている。輸入花の仕入れ国はコロンビア、エクアドル、コスタリカ、アメリカ、ニュージーランド等。バケツは使用せず、全て箱での販売をしている。 2000年より花の全ての品種をデータベース化し、顧客にオンラインで花を提供できる Sierra Flower Finder というサイトを立ち上げています。また2010より、花の情報をより詳しく提供し、フローリストや卸会社がよりプロフェッショナルとして活躍でき、花業界を成長させられるよう、努力している。またSierra Eco という保証制度を始めており、農場が実際に認定農場であり、最新の監査結果を持っているという保証になっている。Sierra Eco プログラムとして宣伝する農場は、厳しい品質基準を持っており、当社の施設で毎週検証されています。

生産者全員に、市場に売り込むような方法の情報だけでなく、独立した監査報告を提出するよう求めており、それにより環境や花の生産者に高いレスペクトが向き、業界により深い変化を仕掛けられるよう、働きかけているとのこと。

 

 

その他、加工場を視察しました。

Westbrook Floral Ltd.

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Rosaflora Ltd

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